Respect
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「目つきが悪いから初めて見たときは印象が悪かったけど、杏ってよく見ると可愛い顔してるよな?マジで良い後輩だし昔にボコらなくて良かったぜ」
「え?小沢先輩、俺の事をボコろうとしていたんですか!?」
「あぁ、昔の話だよ。だけど城島ちゃんと仲良さそうだったし、関わってみると意外と良い後輩だったから今ではマジで皆、杏の事を可愛く思ってるぜ?」
「…確かに俺って生意気そうな顔してるって事でよく喧嘩を売られたりしてましたけど、先輩たちにまで締められそうだったなんて少しショックです」
「昔の話だよ!今は俺ら全員、杏の見方だ。他校のカスにまた何かされたら俺達が助けてやる」
「…実際に助けたのは小沢先輩じゃなくて、城島先輩ですけどねぇ〜」
俺がお調子者の小沢先輩にツッコムとその場の全員が笑った。
皆、俺の大切で大好きな先輩達だ。
和気藹々とした中で俺は楽しく先輩達と喋っていたが、話の流れで、この後皆でバーに行く事となった。
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城島先輩を含める先輩達10名ほどで、知り合いが経営するいつも溜まり場としているバーへと移動し、小沢先輩とダーツをして遊んでいた。
カウントアップで負けた方がショットグラスに並々と注がれたウォッカを飲み干すという罰ゲームを掛けた。
俺と小沢先輩がバトってる間、城島先輩達はカウンターでヘネシーを飲んでいた。
他の先輩もテーブル席やカウンターで好きな酒を飲んだり、俺達のバトルを煽ったりしてそれぞれ自由にこの場を楽しいでいた。
ぶっちゃけ酒にはあまり強い方では無いが、俺はダーツが結構上手い方なので負ける気が無かった。
だからと言ったら卑怯っぽいが、罰ゲームにも快く引き受けた。
初回から俺はブルにヒットさせ、対戦中は何度かハットも出した。
我ながらの高得点に思わずニヤけたが小沢先輩も結構強くて、最終ラウンドで先輩は20のトリプルに3回も入れて俺の逆転負け…。
カウンターに行きウォッカを手にすると他の先輩達から一気コールが始まる。
隣の席に座っていた城島先輩は黙って俺を見ていたが、酒に強くない俺を気遣い「大丈夫か?」と声をかけてくれた。
「だっ、大丈夫っす!」
城島先輩に心配してもらえた!
マジ嬉しい!
先輩大好きだぁ〜〜!
綺麗な顔をした城島先輩が俺の顔を伺った事にテンションを上げながら、男なら負けも潔く認める事も大切だと思った俺は城島先輩に笑顔で返事をして一気に飲み干した。
だが、しかし!
やっぱり酒は苦手だ…。
すげぇ〜喉が焼ける。
飲み干すと瞬時に身体が熱くなった。
悪乗りした先輩達が面白がって俺にウイスキーのグラスを渡してコールをし始めた。
俺も調子に乗ってコールのリズムに体を揺らし強い酒を飲みまくった。
案の定、足元はフラフラで立っている事も出来ず、カウンターの背の高い椅子に座ったが安定せずに危うい。
隣に座っていた城島先輩が俺の肩を支えると先輩達を見た。
「お前等、飲ませすぎだバカ野郎。あんず…大丈夫か?」
「じょうじましぇんぱぁ〜い、だいじょうぶれしゅよぉ〜」
「全然大丈夫じゃないな…」
呂律の回らぬ俺を見て溜息をついた城島先輩は俺を抱きかかえた。
「店でゲロられても迷惑かかるし、酔いがさめるまで杏を寝かせてくるわ」
「城島ちゃん、ごめん。ちょっと俺らも調子に乗りすぎたわ。杏を頼む」
「あぁ」
城島先輩は俺を抱えたまま、店を出た。
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近くのホテルに入ったのか、ベッドに下ろされた瞬間我に返った。
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