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Respect



心の中で躍りながら城島先輩に見惚れていると、先輩と目があって一瞬心臓が止まった。


「終わったぞ」

「…え?」

「傷の手当」

「あ、あぁ…、有難う御座いますッ!!先輩に付けて頂いたこの傷テープ大切にします!」

「はぁ??」

焦った俺は意味不明な発言をしてしまった。
超恥ずかしいッ!穴があったら入りたいほどに恥ずかしい!!

先輩はアホな子を見る目で口を開けて呆れた顔をしていたが、綺麗な瞳を細め肩を上下させて笑った。


「あんず…、やっぱりお前おもしろいな」

「え?」

「気持ちは有り難いが、衛生的に悪そうだから使用済みの傷テープは処分しろ」

「はッ、はい!すみませんでした」

「いや、謝らなくていいから」

「すみません」

「……杏」

「はい!」

「…いや、何でも無い」


城島先輩は微笑して俺の頭をグシャグシャと撫で回した後、カウンターの方へと歩いて行った。

グラスに注がれたブランデーを飲みながら3年の先輩達と楽しそうに会話をしていた。

ヘネシーが似合う高校生って城島先輩くらいだと思う。

リシャールヘネシーのグラスを手で暖め、高級ブランデーの香りを楽しみながら上品に飲んでいた。

先輩の好きなお酒の名前までバッチリ記憶している俺って…ちょっとストカーの気質とかあるかも?




その日は暫くBerにいて他の先輩達とも喋ったりと交流を深めつつ、深夜に帰宅をしたのだった。






学校ではいつもどおり俺は城島先輩たち3年の不良が溜まる空き教室にいた。


俺は2年生だが城島先輩に気に入られているという事もあり、他の先輩達にもわりと可愛がってもらっていた。

学校でのたまり場に来たものの、3年の先輩達が9名程たまって麻雀をしたり漫画を読んだりしていたが城島先輩の姿は無かった。

ちょっとテンションが下がった。

すると一人の先輩が俺を見るなり手を挙げて合図をした。


「おい、杏。ちょっとコーヒー買ってこい」

「はい!喜んで!」


可愛がられているというよりはパシリに近いが下級生の運命だと思うし、上下関係の厳しいこの世界では当然の事だ。

ってか俺は3年の先輩達が皆好きだから全然苦にならない。


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