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Respect


俺も、皮膚が切れて無様に膨らんだ重い瞼を開いて見れば…中学時代から俺が尊敬する一つ年上の先輩、城島先輩が立っていた。


城島先輩はこの場に現れると傷だらけの俺を一眼したあと無言で4人を片付けた。

喧嘩慣れしているはずの俺が苦戦していた相手を、まるでゴミ虫を駆除するが如く…本当にアッと言う間の出来事だった。


ここで注意だが別に敵が弱い訳ではない、城島先輩がハンパ無い程に強いのだ。


城島先輩のアノ身のこなしと鋭い拳が男達の顔にヒットして次々と片付けていく様は見ものだった。

マジ、スゲェ。

俺はボロボロになった体だったが、目をキラキラさせながら城嶋先輩を見ていた。






後から聞いた話によると、城島先輩は3年の仲間達とカラオケにいて、タバコを吸う為に外の裏通りに面した店の非常階段に出た所、偶然にもビルとビルの隙間からボコボコに負けてる俺を発見したとの事だった。

城島先輩に助けられた俺は、肩まで貸して貰い先輩達が溜まり場にしているbarまで連れていかれ今に至る。

城島先輩は3年の友達から救急箱を受け取るなり俺の手当てを始めた。


「城島先輩、すみません!自分でやります」

助けてもらったうえに憧れの城島先輩に手当てまでさせるのは失礼すぎると思ったのだが、発言を聞いた先輩は俺に睨みをきかせて口を開いた。


「俺の手当てが受けられねぇってか?」

「違います。先輩の手を煩わせるのは恐れ多くて…」

「うるせぇよ。黙って座ってろ」

城島先輩に言われると俺は従うしかない。
先輩の言葉に甘えて傷の手当をしてもらう事にした。

「…あの、城島先輩」

「ん?」

「有難う御座います」

「…あぁ」

城島先輩は小さく返事をしただけだった。

俺は手当てをうけながら目前にいる城島先輩を見つめながら思った。


やっぱりカッコイイ人だな…と。


身長も高くて、顔もモデル以上に綺麗でカッコイイ…。
いや、カッコイイと言うよりも城島先輩は美人だ。

行動はカッコイイが顔は中性的で、見惚れるほどに綺麗だと思う。

脱色のやり過ぎで白銀になった髪は先輩の妖艶な美しさとマッチしていて目を奪われる。

そして見た目の美しさ以上に城島先輩は中身が男気に溢れていて、仲間はもちろん、後輩の俺までを大切にしてくれる。

皆のリーダー的存在で喧嘩もかなり強いのに、俺みたいな無駄な喧嘩はあまりしない。

仲間を守るためだったら遠慮なく拳を振るうという姿勢も憧れの対象でもある。

とにかく城島先輩は全てが完全で最高にカッコ良くて俺がマジで超憧れる先輩。


俺もこんな男になりたいと強く思う。
…そう、思っていた。




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