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Respect



「城島先輩はやっぱり超スゲェっす!」

「…別に。あいつらが弱いだけだ」


城島先輩は他校のヤンキーを一人でアッと言う間に四人も倒したのだ。

俺の憧れの先輩、マジでカッコ良くて、マジで強いのでマジでリスペクトしている。

城島先輩のキレの良い喧嘩を見て、胸の高鳴りが収まらねぇッ!!




〜事の始まりは約一時間前にさかのぼる。




ダルいんで学校を抜け出し一人で繁華街に面したゲーセンで時間を潰していたら俺は他校のヤンキーに声をかけられた。

俺の身長が160少しという事もあり、なめられてる感じがプンプンする。

マジで人を見た目で見くびんじゃねーよタコって感じ。


奴等は俺に向って一言…

「有り金を全部出せ」

と、ふざけた言葉を吐かすもんだから俺は額に青筋をたててガンを飛ばし…つい…


「ざけんじゃねーよ糞がッ!表出ろやボゲェ」
と啖呵を切った。

喧嘩は弱い方では無いと自負しているが、それはタイマンでやり合った時の勝敗基準で有り、流石に4対1では袋叩きだろう。

短気な俺は何も考えずに喧嘩を売ってしまったのだ。

…いや、先に喧嘩を吹っ掛けてきたのは奴等の方か。

まぁ、でも俺は喧嘩好きだから別に良いのだが、あくまでも対等なタイマンが好きな訳。

啖呵を切った後に少し後悔したが、自分が蒔いた種だから仕方ない。

不良とゲーセンを出て裏道の、とある廃墟ビルへと入った。


すると途端に奴等が四方から俺を囲み殴りかかってきた。


正面の男が繰り出した拳を避けて、お礼に俺の右ストレートをプレゼントしてやった。


ガッ!!と、喧嘩好きな俺からすれば心地良い打撃音がした。

ざまぁ〜みろ♪
俺の拳で顔面をグチャグチャにしてやんぜ。


相手の顔面に俺の拳がめり込んで鼻血を流してよろめいたが、奴は倒れる事なく再び俺に殴りかかってきた。


今の一撃で一人は片付ける気でいた俺は、この男が倒れずに向ってきた事に正直驚いた。

普通のヤンキーなら完全に倒せていたのに…

結構強い奴等の様で俺は額に汗を滲ませたが、動きの速さは俺が上だから、頑張れば勝てるかもしれない…と、いう希望も有ったので諦めなかった。

右側の奴の蹴りも間一髪で避ける事が出来たのだが…、左の男に腎臓の辺りを強く殴られ形勢はいっきに相手側に傾く事となった。

激痛に顔を顰め、バランスを崩して埃っぽい床に倒れ込んだ俺は奴等に殴る蹴るの暴行をうけ、案の定、袋叩きとなっていた。

亀の様に身体を丸め、できる限り致命的なダメージを受けない様に身を守る事で精一杯だった。


だが、そろそろ限界…って時に思いもよらぬ助っ人が現われた。


「俺の後輩をずいぶんと可愛がってくれてるじゃん」


突如、声がした方に4人の不良は視線を向けた。



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