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stories



クリスマスの前日に夢と希望を届ける精霊がいました。


「次は5番地のアパート…確か、404号室にプレゼントを届けなきゃ!」

この町を新たに担当する事になったサンタ君は地図を確認しながら仕事を遂行しています。

サンタ君は小さい体に大きな袋を担いで人々に夢と希望を与える為、プレゼント配りをしていた。

煙突が有る家なんて滅多に無いので、窓やドアから侵入するのだが、5番地のとあるアパートでも窓から侵入する事に成功しました。




そこは古びたアパート。

「よいしょ!」

部屋に入ったサンタ君はベッドに掛けてある長靴にプレゼントを置いて帰ろうと思ったのだが、子どもがベッドに寝ていない。

そもそもプレゼント用の靴下など何処にも設置されていない。


「あれ?…サンタクロースを信じてる子どもがいるはずなのに?」


深夜なので子どもは寝ている時間の筈だが無人のベッドにサンタ君は首を傾げた。


すると…


「何をしている!?」

背後から声をかけられ驚いたサンタ君は荷物を床に落としてしまい、恐る恐る後ろを振り向いた。


「!?」

振り向けば片手に酒瓶をもった青年が立っていた。

「サンタクロースのコスで空き巣か?クリスマスも物騒になったもんだ。まったく、その年で不法侵入をするとは恐ろしいガキだぜ」

「違います!泥棒ではありません!!・・・僕はサンタクロースの種族でサンタと言います。聖なる夜にプレゼントをお届けに参りました」

「何言ってんだ?サンタぁ?頭おかしいのか…」

青年はサンタ君の足先から頭の天辺までジロジロと見た。

白く滑らかな肌に赤色の半ズボンから伸びる細い足、クリクリの目に桃色の唇、サラサラな髪の毛…

どう見てもサンタ君は美少年だった。

男はサンタ君を見るなり不気味な笑みを浮かべた。


「ほぉ、サンタさんねぇ〜」

「そうです!僕はサンタさんなんです!仲間からはサンタ君って呼ばれています」

誤解が解けたと思ったサンタ君は男の黒い笑みには気付かずに無邪気な笑顔を見せた。


「プレゼントを渡しに参りました」

サンタ君は男から視線を逸らして、床においてある袋をガサゴソと漁って青年に渡すプレゼントを探していた。

男が無防備なサンタ君に近づいている事も知らずに…


「精なる夜だもんなぁ〜、素敵なプレゼントを頂くとしよう」

「はい!素敵なプレゼントを…??」

青年はサンタ君を抱き上げると、乱暴にベッドへ降ろした。




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あきゅろす。
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