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ドキドキ

中途半端にズボンを穿かせたまま近藤は僕の股間から視線をそらすと、近藤は制服のジャケットを脱いだ。

そして、僕の小さな体は近藤のジャケットに包まれ、下半身まで隠れた。


「立てるか?」

近藤の不機嫌そうな声。

「……ぅん」

震える体で、震える足で立ち上がろうとした僕を見かねて近藤は膝裏に手を回すと、僕を抱き上げた。


「掴まってろ」

「…うん」

僕は近藤のシャツを握り締めて、近藤の胸に顔を埋めた。


近藤の匂いがする…。


どうしよう…、凄く胸がドキドキする。

僕は近藤の首に腕を回して、近藤自身に抱きついた。


僕を抱き上げたまま近藤は何も言わずに歩き出す。

近藤は、床に倒れている一人の男をわざと踏みつけた。
そして次に「邪魔」と、低い声色で言うなり、もう一人の男を蹴飛ばすと、そのまま第二理科室を出た。

授業中だからか、静かな校内、誰もいない廊下を歩く。


「近藤…」

「あ?」

近藤は何故か凄く不機嫌で僕の問いかけに短く答えた。


「そこを右に曲がって…」

「?…あぁ」

近藤に行く道を指示した。


いったい僕は何を考えているのだろうか。
この渡り廊下の先には空き教室や倉庫として使われている校舎別館。

誰も来ない建物の、さらに誰も来ない奥の教室まで案内した。

建てつけの悪いスライド扉を開けて中へ入ってもらうと、近藤におろしてもらった。


ここは僕が一人になりたい時によく時間を過ごす場所。

実はこの教室の鍵も僕が持っている。

今日はたまたま鍵をかけずにいたが、本来なら常にこの教室には鍵がかかっている。


鍵を掛けるのは僕だけど。


僕は体育の着替えなど、ここで行うことも多く、特別に兄が在学中の時に用意してくれた教室で、僕の私室と言っても過言ではない空き教室。

もちろん外からは誰かに覗かれる事が無いように窓には目張りもされており、教室内には僕の私物、着替えや、ソファーまで完備されている。

近藤に下ろされた僕は扉に鍵をかけた。



僕はいったいどうしてしまったのだろうか…。

近藤を見て胸がドキドキする。



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あきゅろす。
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