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psychotic
ともだち
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「あれぇ〜?オバはん、おらんな・・・まぁエエか!」

保健室には誰も居なかった。俺は2つ有るベットの手前側に座り、淳は薬品棚を物色中なのだが・・・

「なぁ雅、鼻血には何が効くん?」

「さぁ?ってか鼻血止まったから俺のは探さなくて良いぞ、つか鼻血に薬とか聞いた事ねぇし。俺に構わず淳はアイシングしててくれ」

「アイシング?あぁ・・・あれ嘘や!俺がジャンプくらいで筋痛めるかいな。ちょっと授業抜けたかっただけや」


俺がウェットティッシュで顔を拭いてたら淳が俺の元に寄ってきてティッシュを取ると、手伝うっと言って一緒になって顔を拭いてくれた。

「淳サンキュ、お陰で顔の血は綺麗になったよ・・」
「あぁ・・・」

二人の視線は俺の制服。血でベットリだ。
すると淳が腰に巻いていたジャージの上着を俺に手渡した。

「ベトベトで気持ち悪いやろ?これ変わりに来たらエエ」

「助かる、ありがと・・・・って・・」

淳は俺の制服のボタンを上から外し始めた。俺は慌ててその腕を掴む。
危ない
淳にだけは俺の身体を見られたくない、体中に散らばる紅点についてツっこまれたら多分俺は回答に困る。

「何故脱がす!?」
「何故って・・・汚れたモンの上から着ても意味無いやろ?だから脱がしてんねん、ベドベとのコレ脱いで、直にジャージ着たほうが絶対気持ち悪くないと思うんやけど」

「自分で脱ぐから大丈夫だ」
「そか」

淳はすんなりシャツから手を離してくれた。
俺はホッと一安心と思いきや、淳は黙って俺を見ていた。


「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」


これじゃあ服が脱げない

「・・・淳、お願いが有るんだが濡れタオルを持ってきてくれないか?」
「わかった。確かあの棚に綺麗なタオルが入っていたなぁ」

淳がタオルを取ると水場の方へ歩いていった。
アイスノンなどが入った冷蔵庫の横にある水場は、このベッドからは死角となっている。
年の為、不自然にならない程度にカーテンを閉めると俺は急いでボタンを外しにかかる。
Yシャツを脱ぎ捨て淳のジャージに袖を通し、ファスナーを合わせる・・・その時






-シャッ!


カーテンが開くのと、俺がファスナーを上げるがほぼ同時だった。

「雅ぁ、持ってきたで。一応お湯で濡らしたから冷たく無いでぇ」
「ありがとう」

タオルを受け取ると俺は再び顔を拭いた

「身体ちゃうんかい!?さっき顔拭いたやん」

ヤバイ!怪しまれたかな?

「あ、あぁ・・・ウェットティッシュのアルコール臭いのが苦手で、その、普通のタオルでもう一度顔を拭きたかったんだ・・助かったよ、ありがとな」

「・・・・そっか、どういたしまして」

こんな苦しい嘘しか出なかった俺だけど淳は笑って、それだけ言うと俺の血まみれの制服をたたみ始めた。

「淳ありがとう、そろそろ戻ろうか」
「もうエエんか?」

「うん」


淳から汚れたYシャツを受け取り、立ち上がる。



その瞬間、目の前がサー…と白くなって・・・



「危ない雅ッ!!」




俺は淳に抱きかかえられてベッドに倒れこんでいた。

目を開けると雅の顔がドアップだ、お互いの吐息が唇に当たるほどの至近距離。


「・・・・・」

「・・・・・」


時間が止まったように俺らはこの体勢で無言。

簡単なはずなのに何故か淳を押しのける事が出来ない、密着する体、布越しでも解る淳の逞しい身体、睫毛が数えられるほどの距離で見る淳のやや色素の薄い瞳・・・心臓がドキドキする。


ドキドキする?


落ち着け俺の心臓、そして俺、何故ドキドキしている?

ヤバイ、こんなに密着しているんだ、鼓動が伝わるかもしれない。変に思われたらどうしよう。離れなくては!



「あ、あつし」


俺が名前を呼ぶと淳はハッとして飛び上がるように俺から離れた。

「マッ、雅は多分貧血やね!念の為今日はもう早退したらエエよ」

「ああ、そうする。支えてくれて有難う」

「エエって!じゃあ俺、先生に早退の事伝えるついでに教室行って荷物とってくるから、横になって休んで待っとき?」






そう言って淳は保健室から出て行った。













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あきゅろす。
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