☆★STAR★☆
9
俺は言葉を無くして浜田君を見た。
・・・少しの沈黙の後
「…マジ?」
俺の口から出た言葉はその二文字だった。
人間ってピンチを感じると饒舌になるか極端に言葉数が減るかのどっちかだと、俺はこの時思った。
「マジです。……そんなに警戒しないで下さい。先程も言ったように無理に襲ったりはしないので安心して下さい…ただ…」
「ただ?」
「加藤さんも居なく、密室で二人きりという美味しい状況ってあまり無いと思うので、少し…イタズラしてしまうかもしれません……始めに謝っておきます。ごめんなさい!」
「え!?ゴメンって、ちょっ!!?うぇっ!?」
浜田君は一方的に言葉を発すると俺の腰に手を伸ばし抱き寄せた。
そしてもう片方の手で再び俺の股間を…いやらしい手つきで触りだした。
ズボンの上から陰茎の形を辿っては、象るように指を押し付けて扱くのだ。
逃げようにも浜田君の片腕が俺の腰をホールドしているから腰が引けないッ!
俺は驚きと、戸惑いと、その他いろいろな感情を顔に表し浜田君を見上げると、何だか楽しそうな顔をしていた。
浜田君は俺の陰茎をズボン越しに触り続ける・・・
やばい
…そんな触り方したらダメだよッ!!
反応してしまう…。
「ゃ…ダメ、はまだくん、も、触らないで」
「俺の触り方、気持ち良くて反応しちゃう?」
「ッ!?」
浜田君は片方の眉尻を挙げて、イタズラっ子みたいに意地悪そうな笑顔で俺を見た。
そして俺は彼の発言したセリフに赤面する。
「歩夢先輩、俺に触られてエッチな顔になってますよ?頬を紅潮させて瞳潤ませて…眉尻下げて、凄く色っぽくてエロい顔してます」
浜田君は言いながらズボンの上から俺の股間を少し強めに扱く。
「ぁあッ!…ゃだ」
パンツを穿いていない為、感触がダイレクトに伝わる…。
「あゆむ先輩の…ズボンの中で硬くなってる」
「んっ…いゃ」
「普段可愛らしい歩夢先輩が俺に触られて、快感に眉を顰めて感じてる顔をしてるなんて…、その表情、すごくゾクゾクします。もっと歩夢先輩の感じてる顔が見たいです」
獣のような鋭い眼光をした浜田君は少しだけ俺に微笑むと頭部を下げていった。
嫌な予感がする。
これって、この体勢って・・
・・・まさかっ!?
「だっ、だめっ!はまだくんっ!!」
浜田君の頭が俺の腹部あたりまで降りたところで俺は浜田君の頭を押しのけようとした…しかし、俺の両手を浜田君が掴んで俺がもたれている後ろのドアに固定した。
俺は両腕の自由を奪われた。だが、浜田君も左右の手で俺を押さえているから腕の自由が無い。
お互いに手が使えなきゃズボンを脱がす事も出来ない。つまりこれ以上先には進まない。
良かった!
ひとまず股間への刺激が無くなったので安心した俺だったが次の瞬間、足元にいる浜田君をみて絶句した。
浜田君はおもむろに俺の股間へと顔を近づけると、舌を出してズボンのファスナーを持ち上げて口に咥えた。
俺は油断していただけに衝撃的だった。
ジジジ…と、緩慢な動きでファスナーを下げたのだ。
「…ゃ、ゃめて」
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