[携帯モード] [URL送信]

☆★STAR★☆
2


クッションに顔を埋める歩美に申し訳ない気持ちでいっぱいの宮本




しかし歩美は・・・



“超ウケるんですけど、笑い堪えるのが辛い!宮本君の初恋の相手って…弟の歩夢よ!違う気がするも何も別人ですからッ!アタシじゃないからッ!…そういえば歩夢ったら子供の頃、よく母さんの趣味でピンクとかヒラヒラの服とか着せられていたわね。それで宮本君は子供の頃の歩夢を女と勘違いした訳か!…何コレ、面白すぎて涙出てきた”


歩美がクッションから顔を離して宮本に視線を合わせる。


宮本はそんな歩美の顔を見て苦しそうに顔を歪め、再び小さく謝罪した。

歩美の目は赤く充血していて、先程肩を震わせ泣いていた・・自分から会いたいと迫っていたのにも関らず、実際会ってみたら違うと言ってしまった。
彼女のプライドを傷つけて泣かせてしまった・・・と、申し訳なさで宮本は心を痛めた。



しかし、歩美は傷心なんて全くしていない


“宮本君に本当の事実を教えてあげようか、あげないか・・・どうしようかなぁ〜♪面白そうだから暫く様子を見てみるか”



「ねぇ・・宮本君。協力してあげようか?」

「?」


突然の歩美の発言


「私の為にも正直に答えてね、誰にも言わないから。宮本君ってさぁ〜、歩夢の事が好きなんでしょう?」



「・・・あぁ」



“やっぱりね”

歩美は心の中でニヤリと不適な笑みを浮かべる


「だからアタシが協力してあげる」

「協力?」

「そうよ!残念ながら歩夢は恋愛において超が付くほど鈍感なの、つまりこのままじゃ宮本君と恋愛するどころか気持ちにすら気付かないかもしれない。そもそも歩夢は同性同士で恋愛が出来るって事すら理解していないわ!歩夢は同性愛どころか高2にもなって童貞、しかも今まで彼女暦もゼロという筋金入りの恋愛初心者よ!そんな難易度の高い歩夢を宮本君が落とすために、ナイスなお姉様が協力してやんのよ!」


ベラベラと喋りだす歩美に気押されつつも、何となく頷く事しか出来ない宮本


「だから協力する変わりに情報を私に提供しなさいッ!私に萌えを恵みなさいッ!!」

ビシッ!と人差し指を宮本に向けて微笑む歩美


「も・・・もえ?」


困惑する宮本

すると歩美は宮本の両肩に手を置き、宮本の耳元に唇を寄せると



「歩夢が欲しいだろ?」



ネットリとした声色で囁くと耳元から口を離し、魔女の様な笑みで宮本の目を見た。



「裏同盟を組もうって言ってるの」



「うら・・・どうめい?」

「そうよ。馬鹿な弟は私と宮本君の恋のお手伝いをしているつもりかもしれないけど、逆にこの私が歩夢と宮本君の愛のキューピットになるの」


歩美が宮本に向かって手を差し出す


宮本は視線を歩美の手に向けた後、再び彼女の瞳を見て


「その裏同盟ってのに・・・」


宮本はその手をガシッ!と握る


「のった!!」







裏同盟が成立した。





そして、世間を賑わすスーパーアイドルの真輝歩美は・・・・







腐女子だった。




“姉の事を好きだと思っている男にアプローチされ困惑するノンケの弟…おもしろいじゃないの”






魔性の笑みで笑うアイドルがそこにいた。












[*前へ][次へ#]

4/109ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!