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☆★STAR★☆
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俺だけが二人の出て行った扉を見ていた。




・・・そう。



俺だけが感傷的な気分になっている中、他の三人はキングとアーミンの事なんて本当に、どぉ〜でもいいって感じで皆思い思いの事をしている。


キングと姉が俺の部屋から出て行ったのを気にしてなさすぎじゃね?!

皆事情は知らないとは言え、どう見ても意味深な二人だったじゃん!

仮にも男と女っ!しかも相手はグラドルの真輝歩美と、あのキングだよ!?


何でそんなに無関心なの?


「キングと俺の姉ちゃん、二人して出て行っちゃったね」
俺がわざと声に出して発言すると


慶斗は

「そうだね」

・・・ってそれだけっ!!?



キングの親友の杉田君は

「人口密度が一人減った事で部屋が広くなったんじゃない?」

軽く伸びをする。

確かに俺の部屋で大の男が俺含めて5人は流石にむさ苦しいよね・・・って、違うだろうー!

親友が女性と二人でいきなりどっか行ったのに気にならないのぉ!!?


しかも杉田君は勝手に俺の部屋にあったプレステ3の電源を入れ始めた。




そして加藤は

「どっちも興味ねーし。・・・それよりムー君〜♪」

加藤はここぞとばかりに俺の側に寄ってきた。


「な、何?」

俺のベッドに座った加藤は、さり気なく俺の肩に腕をまわすと耳元で

「今度の休日二人で遊びに行かない?」

と、囁く。

俺の耳に加藤の唇が付くくらいの距離で言われ、くすぐったさに俺は加藤から顔を遠ざけて耳を押さえた。


「ゴメン俺、金欠だから無理」


本当は家でゴロゴロしていたい気分だから、金銭を理由に断ったのに

「安心してよ!全部俺の奢りに決まってるじゃん!だから、お願いムー君」

加藤は俺の手を握って、またもや子犬の目で俺を見る。

そこまでして俺と遊びたい理由は何だ?

ここまで言われると断れない・・・

仕方無しに頷く


「ただし俺は自分のモノは自分で買うからな」


すると加藤は、かなり嬉しそうな顔をして俺に抱きつきながら

「ありがとうムー君!だぁ〜い好きっ!!」

なんて言うが、横から慶斗が加藤と俺を剥がしつつ

「何時に何処で集合?」

と、慶斗が言うと、加藤が額に青筋をたてて

「邪魔すんな腹黒。来るなよ!ぜってー来るなよ!」

「行くに決まってんじゃん!」

ニカッ!と笑顔の慶斗
そんな二人の会話を聞いた杉田君もゲームを一時中断して

「今度の休日ぅ?俺も行くぅー!」

参戦してきた。加藤はデカイ声で

「狂犬まで俺の邪魔すんじゃねーよ!お前らゼッテー来るなッ!ムー君と二人じゃないと意味無いだろヴォケ!」

かたくなに加藤は二人を拒むが、杉田君がヘラヘラと笑いながら

「ねぇ〜、俺も行っていいよね歩夢ちゃん?」

俺に同意を求めた。

遊びに行くなら人数は多い方が楽しいだろうし、俺は全然構わない

「うん、俺は良いよ!」

俺の発言を聞いた加藤は何故か肩を落とした。


それにしても、事有るごとに騒がしい連中だ。


戻ってきたら後でキングも誘ってみよう


俺はそう思い再び視線を扉に向けた。







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