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☆★STAR★☆
花一相撲E


相撲と称して露出した歩夢の身体を触れるチャンスだったのに、肩しか触っていなかった事を加藤は後で後悔するはずだが、今は幸せそうな表情をしている。


そして加藤と同じ様に幸せそうな顔のバカがもう一人。


「勝ったーッ♪」


自分の押し出しが加藤に通用したと思っている歩夢はガッツポーズをした。

ある意味、色々な技が加藤に通用して勝利を獲得したので、全て歩夢の力である事には違いない。

嬉しそうに勝利を喜ぶ無邪気な歩夢を見て、周囲の男達は皆、ホクホクとした癒され顔で微笑んでいた。


歩夢がいるチームは、キング・慶斗・加藤の4名となり敵軍は杉田と浜田だけになった。


花一匁の歌を歌い歩夢軍は杉田を指名した。

当然、杉田軍も歩夢を選択する…かと思われたが…



「千秋ちゃんが欲しい〜♪」

「「「ッ!!?」」」


キングと加藤と慶斗が驚いた顔をした。


「広樹、俺は…そういう趣味はないぞ?」

キングは気持ち悪そうな顔をして杉田を見た。


「まぁ、そう言わずに土俵に上がりな」


指をバキバキと鳴らしながら先に杉田が土俵に入ってきた。

さらに、本格的にストレッチをした杉田はキングを見て狂犬と言われている時の表情をした。

「最近、戦争ないし誰とも喧嘩してないからさぁ〜、久々に強い相手とタイマンしたくなったんだよねぇ〜♪よくよく考えれば、この場に居る全員を半殺しの再起不能にした後、歩夢ちゃんを美味しく頂けば誰にも邪魔されないしぃ〜♪って事で、今から俺が一人ずつ潰して行きまァ〜す★」

「ア゛?…広樹テメー、調子のってんじゃねーぞボゲ!」


堂々と喧嘩を売られたキングもドスの利いた声を出して肩を回しながら土俵に入った。


「俺さぁ〜、マジ本気になれば、この場にいる全員潰せる気がするんだよねぇ〜♪俺と違って日常的に喧嘩してる奴いないでしょ?」


杉田の挑発が勘に障ったのか、幸せ顔だった加藤も額に青筋を浮かべた。


「黙って聞いてりゃ、一年小僧が…俺に勝てるとでも思ってんのか?・・・なめられたモンだ。俺が優しいのはムー君にだけだぞ?」


悪名高い黒川高校の頭である喧嘩の帝王がキングと杉田のいる土俵に向って歩き出す。


「テメーら1年の糞ガキは俺が纏めて相手してやる。ほら、かかって来い雑魚」

「「ア゛ァッ!!?」」


バ加藤に馬鹿にされたキングと杉田も額に血管を浮かべて、乱闘が始まった。


そんな中、浜田がこっそりと慶斗に近づく。


「この騒動に紛れて一緒に加藤さんを潰しませんか?あの人、本当に化け物なんでココは一斉に皆で集中攻撃をしてまずは加藤さんを沈めるべきです。その後、金赤コンビを潰して一緒に歩夢先輩と良い事しませんか…?」


悪党浜田の囁きに腹黒慶斗は悪魔の微笑みをした。


無論、腹の底では浜田と一緒に歩夢を頂くつもりは無い。


誰にも歩夢は渡したくないし、歩夢は自分だけの者だと考えている慶斗は、全員が伸びた後、浜田に奇襲攻撃を加える気でいる。
ひとまず邪魔な加藤、キング、杉田を浜田と協力して潰す気になったのだ。


そして、この考えは浜田も同じだった。

不良でも無い癖に喧嘩が無駄に強い慶斗の力を使って楽に邪魔者を消した後に、疲れた慶斗を仕留める気なのだ。


最低な男二人も喧嘩に参戦して大乱闘になった。


そんな中、歩夢は困った顔でオロオロとしていたが、背中をトントンと突かれて振り返った。


「久しぶりだね、歩夢お兄ちゃん」

「夏海くん」


歩夢に近づいてきたのはキングの弟、なつみ君だった。


「歩夢お兄ちゃんは危ないから、僕の部屋に避難しよ?」

「でも、皆を止めなきゃ」

「止めちゃ駄目だよ。…さっき、赤毛の人が言ってたでしょ?喧嘩したい…って♪これは血の気の多い彼らの遊びなんだから、邪魔しちゃ悪いよ?」

「でも…遊びにしては、殴る勢いが強いような…?」

「真剣に遊んでいるんだよ。歩夢お兄ちゃんだってゲームでムキになる時あったでしょ?…本気で遊んでる時に邪魔されたらウザいよ?」

「う…うん…」


慶斗並に腹黒で非童貞という危険な少年だが、見た目は人形のような愛らしい顔をした小学生のショタっ子で、仕草も狙って可愛い夏海君は幼い顔で歩夢に微笑みながら言葉巧みに、歩夢を丸め込む。


「ほら、こっちこっちぃ〜。僕と遊んでよ歩夢お兄ちゃん♪」


可愛いショタが無邪気な笑顔で歩夢の手を引いて連れ出した。





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あきゅろす。
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