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花一相撲A

先手をきって先に歌い出したのも、歩夢と幸せそうに手を繋いでいる二人への報復をしたいが為に、打ち合わせも無く息の合った連携で杉田と加藤は同じ事をしていた。


ちなみに浜田は動きもせずにスマホを触って、エロいウェアを着た立ち姿の歩夢を正面から盗撮していた。

歩夢は攻撃をされている左右の二人に気を取られて、浜田が写真を撮っている事には一切気付いていない。


奇襲をした杉田&加藤は虚ろな目で歌を続ける。


「「ムー君(歩夢ちゃん)が欲しい」」

の、替え歌に

「「歩夢はやらん!!」」

の、替え歌が帰ってきて両者共に火花を散らせていた。


ただ一人、歩夢は普通の歌詞を口ずさもうとしていたので、戸惑っていた。


そして、土俵に立つ為の相談タイムが始まる。


キングと慶斗は非常に悩んでいた。

先方は確実に歩夢を狙ってくると確信してるからだ。


歩夢に相撲をさせる事が嫌すぎて、過保護な二人は頭を抱えていた。

杉田や加藤なんかに相撲を取らせるのは危険すぎる…と、言う事で消去法で対戦相手に浜田を選ぶ事にした。

一方の加藤達は、相談をする必要も無く即決だったが、わざとらしく元気な声で歌い出す杉田と加藤と浜田。


「き〜まった♪歩夢ちゃん(ムー君)(歩夢先輩)が欲ッしい♪」


先程は歩夢が敵チームに捕らえられていた事に腹を立てていたが、よくよく考えればメンバーの誰が相手でも確実に歩夢には勝てる、イコール愛しの歩夢がもうすぐ手に入る喜びでニヤニヤが止まらない男3人衆。

それとは真逆のキングと慶斗の声は小さく項垂れていた。


Aチームでは歌も唯一、歩夢だけが声を出している。

「浜田君が欲しい♪」

と、言うほぼ歩夢一人だけの声がした後、小さく「本当はいらないけど」と二人の内、誰かが呟いた。

いらない子と言われてる浜田だが、凄く嬉しそうな顔をしていた。


何故なら…

「歩夢先輩に…欲しいって言われた…幸せすぎ」

と、ガッツポーズをしてる所、加藤の蹴りが飛んできて浜田は押し出される形で前へ出た。


円陣の中に歩夢と浜田が入り、向かい合う。


「おい、ムー君に怪我させたら…沈めるからな?」

「解ってます!俺が歩夢先輩にケガをさせる訳が無いです。優しく紳士的に勝って姫を我が軍に奪還致します!!」


歩夢が自軍に来る喜びでウキウキな杉田が開始の合図を告げた。


「レディーゴーーッ!!」

相撲なのに横文字で開始の合図がされた。

勝負などには常に本気な姿勢を見せる歩夢は真剣な目で浜田にぶつかっていった。

闘志を燃やして日本男児として雄雄しく突進したつもりの歩夢だが、浜田は歩夢が痛く無い様に衝撃を緩める為、身体を少し後方にそらしつつ優しく抱きしめた。

正面からキュッ!と歩夢の身体を抱きしめて、頭頂部に鼻を埋めて髪の香りを嗅ぐ。

歩夢特有の甘い香りとシャンプーと思われるフローラルの香りが混じった何とも良い香りに浜田は鼻から深呼吸をする始末。

必死に相撲をしている歩夢は髪の匂いを嗅がれて悦に浸っている浜田には全く気付かず、デニムのズボンを掴んで倒そうとしているが、浜田は鼻の下を伸ばして今度は歩夢の尻を触っていた。


歩夢はキングに言いくるめられ、ただでさえ薄布のウェアにも関わらず下着を着用せず直にスパッツを穿いている。
その為、プニプニで弾力のあるお尻の感触がダイレクトに手に伝わり実にエロい触り心地だった。

我慢が出来ない浜田は両手で歩夢の尻肉をムギュッ!と握った。


土俵の周りからは物凄い殺気が湧き上がっており、見方軍からも殺意の目を向けられている浜田だが、身体を密着させてくる歩夢の感触や匂いにデレデレと幸せそうな顔をしており、一向に歩夢を土俵から押し出す事も、床に倒す事もぜずに立ったまま起っていた。

デニム素材だから初めは気付かなかった歩夢も、何度か股間を股間に押し付けられているうちに浜田が勃起している事に気付いた。


「は、はまだ…くん?」

「すみません。歩夢先輩が可愛すぎて…つい。…もう、押し倒しちゃっても、イイですか?」

「え!?」


歩夢自身は真面目に相撲をとっていたが、浜田の囁きの後、簡単に抱えられ床に仰向けで寝かされた。

その上に浜田が跨って、歩夢の首筋に顔を埋めた。


−チュッ!!

「歩夢…先輩。かわいい」

−チュチュッ!!!

「ちょっ、浜田君、やめ…てぇ!!」

「そのウェア…エロくて、そそります」


歩夢に覆い被さりながら首筋にキスを落としながら薄い布から浮き出た乳首を指先で撫でる。


「布が薄いから…歩夢先輩の可愛いコレ、透けて…いやらしい…」

興奮しきった顔の浜田だったが・・・。



「はーい勝負ありッ!!」

ドガッ!ガスッ!ごんっ!!


加藤に蹴り飛ばされた浜田は床に転がり、その後に杉田とキングにも蹴られていた。


勝負終了後に負傷者1名出たが、今度はキングと慶斗がヤル気満々の顔をしていたので花一匁らしき遊びは続行する事になった。

浜田も暴力による負傷によって出た鼻血を流しながらも、フラフラな足取りで列に参加する。


杉田と加藤の間に挟まれた歩夢は左右の手を貝殻繋ぎされている。

ちなみに加藤の隣にいる浜田は当然、誰とも手を繋ぐ事無く口元の血をシャツの裾で拭っていた。


「先輩の加藤さんにボコられるのは良いとして・・・。ドサクサに紛れて金髪と赤髪の野郎ども…覚えてやがれ」

室内だが、お構いなしに浜田は血のタンをペッ!と吐き出した。



「負けーて悔しい花一匁」

キングと慶斗がドスの効いた声で歌うが、“め”の部分で蹴りをやり返す事無く大人の対応を見せて歩夢に何らかのアピールをする計算高い二人。


一方では、歩夢と手を繋いでニコニコ顔の杉田と加藤。


「「勝ったから終わりたい花一匁♪」」

「「あの子が欲しい」」

「「ムー君(歩夢ちゃん)はやらん♪」」

と、キングと慶斗はそれなりに真面目に歌うが、杉田と加藤は息の合った替え歌を披露する。

間に挟まれた歩夢は左右を見てオロオロとしていた。


そして次に歩夢を奪われる立場になった加藤と杉田が頭を抱えた。





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