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☆★STAR★☆
千秋★初恋呪縛A




それは、俺が7歳、初等科1年生時の夏の出来事だった。


その年は数多くある別荘の一つで国内の南の島、さらに本島から離れた海の綺麗な離島で夏季休暇を過ごす為、親族らと来ていた。

この島に来たのは二回目。


家族や屋敷にいるのも退屈な俺は今回も一人で海へ行く事にした。

誰かと一緒にいるより一人で静かな海でも眺めてる方が良い。


俺が向かう海は、宮本家のプライベートビーチでは無く、以前この島を訪れた時に発見した秘密基地の様なビーチ。

島を探検していると偶然発見した場所が有り、そこへ向って歩みを進める。


サトウキビ畑を過ぎ、整備されてない低い草道を歩き、その奥にある鬱蒼と高く伸びる草をかき分けると現われたのは………

眩しいくらいに輝く白い砂浜、絵の具でも表現出来ないんじゃないかってくらい心奪われるアクアブルーの海と青色の空。

もともと人が立ち寄らない場所なのだろう…。

家族も誰も知らない俺だけが知る特別なスポット……………のはず‥だが。


木の下の木陰に横になっている人影を発見した。


俺だけの特別な場所に俺以外の人間がいることに胸のあたりが嫌な感じでモヤモヤした。


「俺だけの場所だったのに…」

自分だけの特別な世界を奪われた気分だった。


元より我が侭な性格もあるが子供ゆえに身勝手な俺は、相手からしたら理不尽かと思うが文句の一つでも言ってやりたい気分になった。


俺は少し不機嫌そうに頬を膨らませソイツに近寄った。


「おいっ!」

「・・・・。」


「おい、お前!……??」


俺の声掛けに無反応のソイツは気持ち良さそうに寝息をたてていた。


「俺は腹が立ってるのに、こいつ…のん気に寝やがって!」


寝てるソレの顔元にしゃがみ込んだ俺は、ソレの顔を覗き込んだ。



「……女の子?」

遠くから見た感じでは男児用の服を着ていたから男だと思ったのだが、至近距離から寝てるソレの顔を見た俺は疑問符を口にした。


本当は頬を引っ叩いて起してやろうとも思ったが流石の俺でも女子の顔を叩くのは控える事にした。

決めていた行動を中止した俺は、何をする訳でも無く、
その後は暫く、ソレの寝顔を静かに見ていた。


何が楽しいのか自分でも理解出来なかったが飽きる事も無く寝てる少女の顔を見続けた。


いや、なぜか目がそらせなかった。


寝ているコイツは驚く程に美しくてお気に入りの絵画を眺めてる時の様に時間を忘れてソレを凝視していたのだった。


…歳は俺と同じくらいの子供。

顔を近付けソイツの顔を至近距離からマジマジと見つめた。


「まつ毛長いなぁ、色も白いし、唇なんてピンクだ……‥」

パーティーではブサイク女が身に合わない綺麗な服で着飾っているが、それとは全く真逆で、男児用のダサいTシャツに短パン、ビーチサンダルという質素な服装でも寝ているコイツは本当に綺麗だった。


この少女が綺麗な服を着たら誰も敵わないだろうな。


パーティーにこの少女を連れ出して、成金ブスどもに見せ付けてやったら面白そうだ。

嫁にするなら素材から光る、こういう女と結婚したいな。


子供ながらに想像力が豊かな俺は寝てるコイツを見ながら色々な事を考えていた。


「・・・。」

それにしても起きないなコイツ。


イタズラ心が芽生えて、指先で寝てるソイツの頬を指先でプニプニと押してみた。


「や、やわらかい」

面白くて何度も突くが、この娘は起きない・・・。


次に、プクッ!と膨らむ唇を触ってみた。


フニフニして柔らかい唇を触っていると少しだけ変な気分になってきた。

「小さい唇だな…」

俺は微かに開く桃色の唇から目が逸せなくなり……気が付いたら自分の唇を押し付けていた。


唇と唇が触れ合う感触は、とても柔らかくてフワフワだった。



「んんぅ…」

「ッ!!?」


バッ!っと勢い良く俺が顔を離すとソイツはゆっくりと瞼を開いて俺を見た。


お、起きた!

俺のキスで目覚めたッ!!!?



心臓がバクバクうるさく俺は若干挙動不振ぎみ。


「あれ?…いつのまにか寝てたんだ…」





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あきゅろす。
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