☆★STAR★☆
千秋★初恋呪縛@
キングが子供の時に歩夢と出会った時の話や本編初期あたりのキングの話です。
山なし落ちなし意味なしです。
基本は千秋視点です。
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シャンデリアが天井を飾る大広間には沢山の人が集い、オーケストラによる音楽が奏でられていた。
その日は宮本家主催でセレブが集うパーティーが催されていた。
そこに凛とした振る舞いで周囲の大人達に溶け込み、談笑をする幼い少年がいた。
:
「千秋坊ちゃまぁ〜、初等科に御進学されたとの事でおめでとう御座います」
「千秋様、大きくなりましたね」
大人達がガキな俺に媚びる様な嘘くさい声色に吐き気がする。
宮本千秋…俺は宮本財閥の息子
ガキの頃から俺は人が大嫌いだった。
物心がついた幼い頃から大人達は俺に優しく接するが、俺の親に取り入ろうと必死なのがバレバレで…気持ちが悪い。
俺を見るあの目が特に嫌い‥。
俺を、人を金でも見るかの様な汚い瞳。
まだ初等科に入学したばかりの幼い俺だったが人を信じる所か、人を好く事さえ出来なかった。
幼いながらも俺は糞みたいな大人たちに向けて愛想笑いを浮かべていたが内心では全員死ねば良いと思っていた。
性格が歪みに歪んだ幼児だと自覚している。
まだ子供の俺に対して嘘臭い優しさで振舞う大人たちも、きっと内心では俺の事を財閥に産まれただけの能無しな糞ガキだと思っているだろう。
上等だよカス共が。
中にはガキな俺に対して大人と対等に話しかけてくる奴もいるが・・・
ガキの癖に経済や株について話す俺を疎ましく思っている事も知っている。
確かに初等科で見た目も子供なのに話す内容が知的で、口調も敬語だと子供らしく無く、可愛く思われなくても仕方が無い。
だが、そもそも難しい話を先に振ってきたのは大人たちの方だ。
ガキだから何も分からないと思って意地悪な話題をしてきたのに博識な俺に返り討ちにされて内心では怒り狂ってるんだろ?
子供だからって、なめんなクズ
:
「千秋坊ちゃま、本日も素敵な御召物ですわねぇ」
「有難う御座います。本日の為に祖父がイタリアのデザイナーに作らせた一点もので御座います」
「さすが宮元家ですわねぇ。とてもセンスが良くて素晴らしいですわ!千秋坊ちゃまの美しい顔に合っていますこと」
「ご婦人もお美しいですよ」
俺は目の前の豚に真珠女に上品に微笑むと、勘違いした年増女はガキの俺に対して頬を赤らめた。
…あー、うざい。
このギラギラした悪趣味な服のどこにセンスを感じるのか本気で聞いてみたい。
こんな服を着て人形みたいに愛想笑いを浮かべた俺も、どうかしてるけど…このパーティーに参加している人間は総じて気色悪い。
気味が悪い。
煌びやかだけど上辺だけの世界。
金や家柄だけで人を判断するクズ。
表面上は良い人の仮面を被ってるけど内心では欲や嫉妬に塗れた肥溜め以下のカス連中。
いくら金があっても、人に優しい言葉をかけられても俺にとっては糞みたいな世界だ。
皆、上辺だけ。
嘘、建て前、御世辞。
綺麗な服や宝石で身を着飾っても内面は汚いゲスどもに囲まれて精神的に疲れる。
本当は愛想笑いも、上品な振る舞いも何もかも嫌で、うんざりだ。
本心で俺の事を好きな人間なんていないし、俺が好きになる人も居ない。
つまんねぇ人生。
人間って気持ち悪い。
そう思っていた子供時代だった。
……‥アイツに出会うまでは……
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