☆★STAR★☆
二人の会話
一方的…‐―
真輝歩夢が去った空き教室にて‐
残された二人の男
「あ〜ぁ、おチビちゃん行っちゃった…ねぇ!千秋ちゃん、再度聞くけど、ど〜ゆ〜つもり?」
赤髪の男、杉田広樹がキングこと宮本千秋に訝しげに問う
「……」
宮本は額に指を当て、考えてみるが上手く言葉が出て来ない様で悩む。
杉田は宮本と長年の付き合いゆえ、先程も含め彼の無返答が無視でない事も知っている。
杉田はポケットから煙草を取り出し、くわえながら宮本の返事を待つ事にした。
杉田の煙草が半分程灰になった頃、ようやく宮本が口を開いた。
「…俺自身よく解らねぇ」
「と、言いますと?」
「俺はアイツの姉に惚れてる」
「えっ?…マジで!?昔から惚れてる女ってチビちゃんの姉貴だったの?…千秋ちゃんが何故おチビちゃんに構ってるか解ったけど…じゃあ何でチビちゃんに手
ェ出してんの?」
「それが解らないから困ってる…、まだ短い時間しか共にしてないけど、何故かアイツと居るとテンションが上がるって言うか…、気付けば常にアイツの事を考える様になっていて、ただ一緒に居るだけでコノ辺がキュッってなって…」
宮本は自分の胸の辺りを鷲掴み、杉田に視線を向ける。
杉田はくわえていた煙草を落として、唖然と目前の男を見た。
宮本は話を続ける。
「…さっき、アイツが素っ気無く直ぐに立ち去ろうとした瞬間、心臓がズキッと痛んで、気付いたら勝手に体が動いてた」
「……」
杉田は長い前髪を止めていたピンを外し、前髪をワシャワシャと掻いて、またピンを元通りに止めて溜め息をはく。
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