☆★STAR★☆
3
この力の抜けた、締まりのない喋り方と声は…
す、杉田君!
見られた!?こんな恥かしい姿をッ!?男に組み敷かれてるこの状況をォォォオオォ?!?
杉田君は驚いた表情の後、下にいるのが俺だと気付いたのか、目が合った瞬間苦しそうに眉間に皺を寄せたと思ったら、いっきに険しい表現になってキングを見
た。
「ゴメンね千秋ちゃん、俺お邪魔〜?」
と、言いながら近付いて来る‥セリフと行動噛み合って無いですよ。
キングが俺の上から退いて無言で煙草に火を付ける。
「ってか、確か‥千秋ちゃんゲイでもバイでも無ければ、惚れた女がいるとか言ってなかったぁ〜?何してんの?」
あ、それ俺も知りたい。
何故俺にこんなヒドイ仕打ちを?
俺、何かキングに嫌がらせされる様な事した?
先程からキングは眉間に皺を寄せて杉田君を見てるだけで何も答えない。
「千秋ちゃんに抱かれたい女なら山程いるし、ヌくなら他に女いっぱいいるじゃ〜ん!何でこんな普通の…しかも男ォ〜?」
苦笑混じりに杉田君が首をかしげてキングをちゃかすように伺う。
尚も答えず、キングはゆっくりと煙をはく。
「…えっ、何!?もしかして…ソッチに目覚めた?」
なっ!何を言うんだ杉田君ッ!!そんな訳無いはずだ。だってキングはずっと俺の姉を…‥
俺は震える指で自分のシャツの前ボタンを止める手を止めて、キングを伺った。
何故かキングは驚いた顔をして俺を見た。
…いや、それ俺の表情だから!
……
お互い無言。
杉田君まで無言。
沈黙が続く……
すっごく居心地が悪い。
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