☆★STAR★☆
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…この高校で俺が真輝歩美の弟と知ってるのは俺が知る限りでは佐川慶斗ただ一人である。
俺はあまり周囲にアーミンの弟だとバレたくなく、平凡な日常を何気に気に入ってる俺は、バレた時に周りで騒がれるのがウザイと思い出来る限り秘密にしてい
る。
そして騒ぐ輩には、歩美と俺を必ず比べる奴がいるはずで、兄弟ってだけで他人に勝手に比べられるのも嫌な訳だ!
歩美の何を知って、俺の何を知って品定めしてるの?って思う。
誰だってそうだろう?
俺は俺で姉は姉!!ってのが俺の考え。
そういう面で言っても、俺の隣りで若干俺を小馬鹿にした態度を取ってるコイツは理解が有る。
中学の時、クラスメイトからキツい事を言われ、すげぇ落ち込んでいた俺に慶斗は言ってくれたんだ…
『歩夢は歩夢だろ?』
簡単な言葉だけど、それが凄く心に染みてヤバイ感動した。
あの日から、俺の中で慶斗は親友というポジションに立ち続ける。
「慶斗」
「ん〜?」
「あんがとな!」
………
―……・
「…何が?」
慶斗の返答は実に正しい。
そりゃそうだ、俺が勝手に思い出にトリップしていただけなんだから。
俺は思わず吹き出した。
一人で笑う俺に困惑した慶斗の表情がさらに面白い!
「えっ?ちょっ!歩夢君ッ!?ひょっとして…コレ?」
慶斗は手真似でシンナーを吸ってる素振りをしながら俺を見つめる。
ヤバイこいつの馬鹿なノリ、マジうける!
「ちげーよ!バカッ!!!」
俺は慶斗の肩をパシパシ叩きながら笑う。
「えっ?!じゃあ〜コレ?」
腕に注射を打つ素振りをして俺を伺う慶斗が阿呆らしくて涙が出る。
「薬ダメ、絶対!」
「デカい男がブリッ子声だすなよ、キモい!」
そうして、俺たちは馬鹿騒ぎのまま学校への道のりを電車に揺られた。
周りに人が居なくて良かったよ、マジで!
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