☆★STAR★☆
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「なぁ、お前…歩夢‥は、真輝歩美の弟って話本当か?」
隣りに座ったキングが煙草に火を付けながらチラリと俺を見た。
いきなり名前を呼び捨てで呼ばれて少しビックリした。
べ…別に嫌とかでは無いけどさ…。
姉の事も今さら隠すのも無理が有ると思ったし、長澤さんの話を聞いても冷静だった事もあって、俺はあっさり白状した。
「事実です」
「そっか…なぁ、歩夢はガキの時に親父の仕事の都合で南の島で暮らしてた?」
超驚いた。
俺ですら忘れていたが父親の仕事が当時、転勤が多かった為、確かに子供の時に一年間くらい暮らしてたが…何故それをキングが知っている!?しかも結構具体的に!
「か、家族皆で…少しの間暮らしていました」
ボソッ…と告げれば、とたんにガシッ!と俺はキングに肩を掴まれた
「ヒッ!な、何でしょうか!!?」
「協力しろ」
「…‥な、何を??」
「真輝…歩美は俺の初恋の相手だ」
「ふぇッ!!?」
すっ頓狂な声が出た。
キングの口から初恋なんてメルヘンな単語が出たのも驚きだが、その相手が俺の姉ッ!?
聞けば、子供の時に出会い短い期間ではあったが恋に落ち、お互いの連絡先も知らないまま離れ離れになってしまったそうです。
…で数年後テレビで偶然、真輝歩美を発見した…らしい。
「なるほど…で、キング‥協力というのは?」
「真輝に合わせろ」
シンプルなご要望です事…ってかキング、それ人にモノを頼む態度では無いぞ……‥。
しかしキングの顔が少し赤らんでいる‥まさか、照れているのか?
それにしても会うだけとは…
「それだけでいいの?」
「あぁ。お前は分からないだろうが、事務所がコンプリートってだけで、真輝歩美に私情で会う事はかなり難しい」
「えっと…どゆこと?」
「俺は金を使ったり、テレビ局や芸能関係の幹部らを使って簡単に真輝歩美に近付けると思っていたが叶わなかった…つまり、あの男の権力や地位が凄いって事
だよバカ」
「…え?」
「実物を見たのは初めてだったが…長澤大吾、コンプリートの社長がそれ程の人物だって事…これぐらい知っとけバカ」
長澤さんって凄い人だったんだ…ただの変態と思っていたよ。
そして、話を聞く限りでは高校生が出来る範疇を超えているいるよな…キングって何モンなんだ!?!
それよりキングってば俺をバカバカ言って失礼すぎだろ…‥否定は出来ないけどネ。
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