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定番の


「王様げぇむ??」


「そ!歌も楽しいけど、折角だからもっと楽しめるゲームしようよ!俺なんかムー君と席が遠いから不満溜まりまくりじゃん?何かしらのチャンスが欲しい」

加藤はハツラツと答えた。


「さすが加藤さん!」

浜田君は加藤に賛同しており、


「まぁ、このまま歌だけってのも味が無いから・・・良しとするか」

慶斗は乗り気では無いけど否定する事も無いと思ったのか賛成した。


楽しい事が大好きな杉田君は当然賛成だった。


って、事で加藤が握る割り箸をそれぞれ全員が掴み誰にも見られないように引き抜いた。


「王様だーれだッ!!?」


企画者の加藤では無く何故か杉田君の元気な声がルーム内に響いた。



「あ、王様…俺だ」

慶斗が小さく手を上げると全員がバッ!と一斉に慶斗を見た。


「クソッ!何で帝王で有る俺が王様じゃないんだッ!しかも、よりによって腹黒大魔王…」

慶斗が王様を引いたことに対して加藤が不服そうだった。


「あ〜あ、俺が王様と思ったのになぁ〜」

杉田君はペン回しの様に引いた割り箸をクルクル回していた。


浜田君は無言でポッキーを食べていた。


「王様の命令は絶対なんだよなぁ〜」

慶斗がニヤリと笑うと辺りに冷気が立ち込めた・・・気がした。


「じゃあ、ここは定番ルートで1番と2番がキス……、ってのは止めて…」

「止めちゃうのぉ〜?」

杉田君が質問すると慶斗は小さく頷いた。


「あぁ。デカイ男同士のキスなんて気持ち悪くて見たくないし、仮に華奢な歩夢が当たったとしても俺の目の前で他の誰かに歩夢の唇を奪わせる事はしたくない。かと言って、●番が王様にキスと言う命令を出して予想外の相手だったら完璧に自爆する事になる」

ただの遊びなのに色々と深読みをする慶斗の意見に対して、俺を除く全員が納得したように頷いていた。


「ゲームは始まったばかりだから、ここは軽めに1番から3番までの3人は、さっき歩夢が歌った痛い曲を合唱、4番は何もしなくて良い」


・・・げっ!
俺、3番だから思いっきり罰ゲームの対象者だ!


ん…?

ってか、慶斗の野郎、やっぱり俺の歌を痛いと思っていたんだな。


「じゃ〜3人とも頑張って歌ってネぇ〜。俺、4番で何も無くて暇だから梅干の歌を入れててあげる」

杉田君がニヤニヤしながらデンモクを触っていた。


って、事は加藤、浜田君、俺の3人がアノ曲を歌うのか。

2本のマイクをどの順番で回そうか考えていた俺だったが、加藤が慶斗にビシッ!と指を刺した。


「おい黒。帝王で有る俺に命令してんじゃねーよ。俺は愛の僕(シモベ)だからお姫様ムー君の頼み事なら喜んで聞くが、テメーの指示は聞きたく無い」


…おいおいおい、さっそくゲーム終了のお知らせか?


俺は呆れて加藤を見た。

すると俺の視線に気付いたのか加藤と目が合うと…


「ちょっと待てよ。ムー君も歌うって事は……ラブラブ愛らぶデュエット!?」

「「「「はっ??」」」」

加藤以外の全員が疑問符を発した。


加藤は少し考えた素振りをした後に立ち上がって自らマイクを取った。


「仕方ない、今回だけは従ってやるよ」

そして、加藤はマイクの一つを俺に渡した。


「すまんが純哉はマイク無しで歌ってくれ」

もう一つのマイクは加藤が握り締めていた。


曲が始まったのだが・・・、よく考えたら加藤と浜田君が梅干の歌を知ってる訳が無く、結局は俺一人で歌う事となったのだが、加藤は何故か満足そうだった。


「ムー君と愛の共同作業は最高だったぜ。重なる二人の声が響き合うのは何とも卑猥だった。これぞ愛の営みだね」

ちょっ!?変な言い方は止めてくれ!

確かに浜田君は完全歌ってるフリだったので考えようによってはデュエットだけど全然卑猥じゃねーし、共同作業って言うか一緒にカラオケしただけだし、もはや歌っても無かったじゃねーかよ。

歌えないから所々鼻歌っぽくハモってはいたが98%は俺の独奏だったよ!

ツッコミたいが、席も遠く面倒なので俺は黙っておく事にした。


「歩夢ちゃん、おっつー」

何が面白いのか杉田君はゲラゲラ笑っていた。


「じゃ〜、次の王様を決めるぜ?」

王様だった慶斗が棒を集めると番号部分を隠して手を中央に差し出した。


それぞれが棒を掴むと、いっせいに抜き取る。



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