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☆★STAR★☆
話好き


「お〜い」


−ドンドン!

…ガチャガチャッ!!


鍵は掛かっているものの人間離れした杉田君の事だ、何があるか分らないので俺は脱衣所に身を隠し、さらにいざとなったら脱衣所にあるロッカーに隠れるつもりでいた。


だが…



−シーン…



どうやら杉田君は諦めた様で生徒指導室の前から去った様だった。


あー、…もう、ビックリした。

俺は再びソファーに戻ると腰を降ろした。



「……。」


静かな生徒指導室。



暇だ。


一人でボーっとしてると、だんだん睡魔が襲ってきて俺は瞼を手の甲で擦った。


だが…


「やばい眠い」


今日一日で何発も射精したり、ドキドキしたりと気力はもちろんの事、体力的にも疲れていた俺はいつしか眠りについてしまった。








「…くん」

遠くで声が聞こえる


「…君ッ!」


心地の良いまどろみの中で、又しても声が聞こえるが…


眠いので・・・無視。



「コラッ!歩夢君おきなさいッ!!!」

思いっきり体を揺すられた俺はビックリして意識を現実に戻した。


「うわッ!慎太郎さんッ!?」

「ずっと起しているのに…、こんなにも起きないなんて心配になるよ、まったく」

「…俺、寝てたんだ」

「そのようですね。何をしても起きないので死んでいるかと思って恐ろしくなりました」

「ご、ご迷惑をお掛けしました!」

俺はペコッ!と頭を下げた。



…あれ?


そう言えば・・・確か俺、風呂上りに半裸のまま寝ていたはずなのに…


「服着てるッ!!!?」

「裸のままだと風邪をひいてしまうかも知れませんし、色々とトラブルの元と考えましたので私が着せました。そもそも、ご自分の部屋でもなければ衣服も身に着けていない状況で、よくも熟睡出来ますね?信じられません!のび太君でさえ裸では寝ないですよ。しかも、先程レイプをされかけた相手である私がいつ部屋に戻ってくるかもしれないのに無用心すぎます!だから貴方には危機感が無いと私に怒られるのですよッ!いい加減にしてくださいッ!!」


「すみません。…と、とても眠くて、」

慎太郎さんはアナウンサーもビックリするくらいの早口言葉で、俺は慎太郎さんの会話の内容よりも、マシンガントークに圧倒されつつあった。

「私に謝ってどうするんですか?貴方って人は本当に馬鹿すぎてイライラするッ!!眠かっただと?寝てても結構ですが今度こそイタズラしてやりますよ。もし私に色々な事をされたとしても文句言わないで下さいね?・・・その前に他の男性から何かされる危険性が有るので、やはり警戒心がもっと必要です」










結局、慎太郎さんには長々と、こっ酷く説教をされ続けた。

「と、いう訳で貴方の事を大切に思っている人は親御さんだけでは無いのです。・・・おや?もう、こんな時間なんですね。今日はもう退室してもいいですよ」

「し、失礼致します」


俺はお辞儀をして生徒指導室を出た。

人生についてや親族の話など当初の話題から若干逸れた話もあったが、慎太郎さんの言葉がマシンガントークすぎて途中でお経の様に聞こえた事は秘密だ。

俺の為を思って言ってくれた事だから有りがたいし、ここまで真剣に怒ってくれた人も久々で嬉しかった。

慎太郎さんの力説どおり男でも危険が及ぶ事も理解したし今後、俺も気を付けようと思ったのだが、下校時刻になるまで休む事無く次から次へと喋り続た慎太郎さんって……。

正直、こんなに喋る人だとは思っていなかったので驚きだ。

クールなイメージがあったが、かなり熱い人だと言う事が判明した。



生徒指導室から解放された俺は急いで教室に向かって走っていた。

体育時間から急に俺が姿を晦ましたから、オカンキャラと言うか俺の保護者、兼、親友で超ぉ〜心配性の慶斗が俺の事を心配しているかもしれない。


携帯も教室に置きっぱなしだから今は慶斗と連絡が取れない。


急いでいた俺は必死で校舎を走っており、廊下を右折した所で…



−ドカッ!!


「ふがっ!?」


人にぶつかった・・・?
だが…、反動で後ろへ倒れる事無く激突した人に捕獲された???



「今日は何て最高の日なんだ。ムー君から俺の胸に飛び込んでくるとはスーパーハッピーデイッ♪」


「!??」


俺は一瞬、耳を疑ったが、そうだった。

学校に潜入しているんだよね。


あー…って事は間違いない、この声はアレだ。


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