☆★STAR★☆
急に…
「俺のガム!?」
「そ!歩夢ちゃんのガームー♪これ元は何味だったの?味が無くなったガムを噛み続けるなんて歩夢ちゃん貧乏性なの?お金に困ってるの?」
「そ、そんなの俺の自由でしょっ!!」
何で口の中にあったガムを無理矢理?奪われたあげく少し小馬鹿にされなきゃいけないのだ!?
しかも濃厚なキスに少しドキドキしてしまった俺はマジで死ねば良いと思う。
色んな意味で恥ずかしいよっ!
・・・って、えっ!?
つまり、さっきのキスは冗談やカラカイではなくガムが欲しかったから、わざわざ俺の咥内から奪ったの?
そんな事の為に俺の唇は奪われたの?
恋愛経験豊富な杉田君からすればキスなんて大した事じゃなく、さっきのもただのマウスtoマウスくらいにしか思ってないのかもしれないけど経験値の低い俺からすれば口付けはキスな訳で…、唇と同時にガムを奪われた訳で…えぇ…っと、何だ?よく分らないけど俺、杉田君を怒っても良いよね?
「不味いなら、そんなガム捨てちゃえば良いじゃん!」
俺はキャラに似合わずちょっと怒鳴ってしまった。
ってか自分の口から出た言葉がガムについての発言だった事に驚いた。
俺はいったい何に対して怒っているんだ?自分でも理解してない怒りだが、とにかく俺はご立腹!
それなのに杉田君はニコニコと笑顔で味の無いガムを噛み続けていた。
「味が無くなるまで歩夢ちゃんが噛んだガムだと思うと美味しく感じる」
「意味がわからないよ…」
誰か助けて。杉田君の思考回路がマジで全く読み取れません!
ってか、人の噛んでいたガムを奪った挙句、味の無いガムを美味しそうに噛み続けている杉田君の方が貧乏性じゃないのか!?
「あぁ〜、俺こんな変態じゃなかったのに歩夢ちゃんが可愛いから、どんどん俺が壊れてく。どうしよう〜、責任とってよ歩夢ちゃん」
「はぁ!!?」
杉田君はさらに意味不明な事を言い出した。
「俺さぁ、少し前までは誰に対しても執着心も無く何かに夢中になったりとか無い人間だったのに…最近はずっと歩夢ちゃんの事ばかり考えてしまうんだよねぇ〜」
杉田君がまた俺に近づいてくる....口調は普段通り力の抜けた喋り方をする杉田君だが、俺を見る目が…何と言うか、獣の様で・・・・俺は、それが何だか怖くて後ずさりをするが壁に背中が当たってしまった。
「俺さ結構モテルから寄ってきた奴を適当に抱いては捨てて、自分から誰かを強く欲する事って今まで無かったんだけど…、歩夢ちゃん見てると欲しくてたまらなく思う。何でかな?」
杉田君が俺の顎に指を添えると、俺の顔を上へ向かせた。
間近に見る杉田君の顔は綺麗に整っていて、モテるというのも納得出来る程の美形だ。
奇抜な赤い髪も杉田君だからこそ似合うヘアースタイルだと思った。
杉田君は間近で見れば見るほど羨ましいくらいにカッコイイ顔をしていた。
青いカラコンがマッチした瞳を縁取る長い睫毛までもがはっきりと見える距離。
杉田君の綺麗な唇が開く
「初めて欲しいと強く思った存在が歩夢ちゃんなんだよね…マジで、何でこんなに惚れてるんだろう、俺自身よく分んないけど歩夢ちゃんに惚れてるんだわ」
ほれてる?
彫れてる
掘れてる
…ほ、惚れてるッ!!?
「ちょっ、ちょっと待って!惚れてるってLOVE!?お、俺、男ですけど!!!」
「そうだね、歩夢ちゃん、こんなに可愛いのに男の象徴がしっかり付いてるモンね」
「んなぁっぅ!!?」
杉田君が悪びれも無く俺の股間を触ってきた。
ちょっ!股間をニギニギするなぁああ〜ッ!!
俺が脳内パニックを起している間も杉田君はマイペースに独り言を言っていた。
「この俺が誰かに夢中になるなんて思わなかった。ねぇ、歩夢ちゃん責任とってよ。俺、マジで歩夢ちゃんが欲しくてたまらない」
今度は腕をまわした杉田君にお尻を触られた。
「杉田君ッ!?」
俺は赤面して杉田君を見上げた。
「ヤバイ・・・どうしよう、歩夢ちゃん」
「こ、こんどは何!?何に対してどうしよう??」
「歩夢ちゃんを触っていたらマジでムラムラしてきた。ねぇ…このまま犯して良い?」
急に抱きつかれた。
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