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その発言を聞いた長澤さんはお猪口にあった日本酒を一気に飲み干すと

「ケツの青臭いガキがよく言うぜ、俺とお前がライバル?片腹痛い。初めからお前なんて眼中に無いが、一つだけ訂正すると俺はまだピチピチの23歳だ。オッサンじゃない」

どうやら、浜田君にオッサンと言われた事に対して気にしているようだ。
何だか分からないけど空気が重いので話題を変えようと思って俺は適当に発言する事にした。

「長澤さんと、姉と、慎吾さんの組み合わせって珍しいですね?三人ともお知り合いなんですか?」

俺の質問に三人は顔を見合わせると慎吾さんが口を開いた。

「…あゆむ君は俺と歩美の関係を知ってると思うが、男女の関係に終止符をうった今でも俺にとって歩美は大切な存在だ。長澤さんと俺も…一応、昔からの知り合いだ」

「慎吾くん、一応って何?滅茶苦茶深い関係じゃん?」

長澤さんの発言に浜田君が慎吾さんの顔を見た

「慎吾さん、もしかしてこのオッサンと…」

「違う!浜田君は何か大きな勘違いをしているッ!!俺と長澤さんで気色の悪い想像をするのは止めてくれ!」

慎吾さんは青ざめた表情で首を振る。

すると長澤さんが空かさず

「はいソコ!俺はオッサンじゃない。まだお兄さんと呼ばれるお年頃だ!そして慎吾君、気色悪いとは失敬だな…と思ったが、確かに俺と慎吾君はヴィジュアル的にキツイし、流石の俺でも慎吾君は抱けない。ごめん慎吾君じゃあ俺のマグナムは無反応だ」

「反応してくれなくて光栄です!!俺は確実に男相手じゃ萎えます」

「あら、残念!私は見てみたいかも〜、ゲテモノ×ゲテモノの汚いカップリング♪」

「勘弁してくれ。歩美、一応俺はお前の元彼だぞ?ゲテモノは無いだろ、色んな意味で勘弁してくれよマジで」

見た目は一番ヤクザでオッサンでグロいけど慎吾さんが、この奇妙なメンバーの中では唯一の常識人だと思う。

たぶん。

姉の発言を聞いた長澤さんは何が面白いのか隣にいた姉の肩を軽くバンバン叩きながら爆笑していた。

姉は5発めに拳で長澤さんの肩を笑顔で思いっきり殴り返していた。

浜田君は興味が無いのかテーブルに並べられていた刺身を食べていた。

俺が目前にあった誰かのウーロン茶を飲んでいたら、少し痛そうに肩を押さえた長澤さんに・・・

「歩夢君」

呼ばれた。

「何ですか?」

短い返答をして俺は再びお茶を飲んだ。

「昨日のセクシーショーツは気に入ってくれた?」

ブフーーーーッ!!!!

長澤さんの発言に俺は口に含んでいたお茶を噴出してしまった。

「汚いわね馬鹿歩夢ッ!」

姉に怒鳴られた。

「……セクシーショーツって何の事?」

ギクッ!!

当然ながら姉に質問された。

すると長澤さんは何故か勝ち誇った表情で一度浜田君を見た後

「昨日、ちょっとね♪俺と歩夢君だけの秘密。ねー、あゆむ君」

俺を見た。
頼むから俺にその話を振らないでくれ!ってか、みんなの前で意味深な発言をしておいて秘密も何も無いと思いますッ!


動揺する俺をよそに長澤さんは美味しそうに酒を煽った。

そして俺の隣にいる浜田君が小さく呟いた。


「セクシーショーツ…?」

浜田君は俺の顔を伺い見ると皆には聞こえないように小さな声で

「今日、あゆむ先輩がノーパンだった事と確実に関係がありますよね?」

浜田君の質問に俺は何も答えられなかった。

「変な事聞いてスミマセン、言いづらい事なら無理に聞きませんので安心して下さい」


浜田君はどこか切ない表情をしていた。


どうしたら良いのか分らない俺は困って視線を泳がすと姉と目が合った。

姉は何かを考えている仕草をして、暫くノンアクションだったが急に立ち上がると俺の元まで来て手首を掴んだ。


「あゆむ、帰るわよ!」


突然の帰宅命令が下った。





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