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…しかし、着物をきたオバちゃんが浜田君の名前を知っていたって事は常連?って事だから俺は安心して浜田君を信用しても良いんだよな?

「あゆむ先輩、そんな難しい顔して突っ立ってないで早く座りましょう?」

「えッ!?あ、うん」

先に部屋の中央にあるテーブルの前に座った浜田君は、巻物の様な書物を読んでいた。多分あれがメニュー表なんだと思う。

リラックスしている浜田君を見ていたら、おのずと俺も落ち着いてきた。

安心したら、何だか…

「ごめん、浜田君。俺、ちょっとトイレ行ってくる」

「了解しました。トイレは廊下を出て右の突き当たりを、また右です。ドリンクだけでも注文しておきますが何が良いですか?」

「ん〜…、オレンジジュース。ありがと!」

俺は手を少しだけ挙げて浜田君に礼を言って襖を閉めた。


廊下を歩くと別のお客さんだろうか、閉じられた襖の向こうから笑い声が聞こえた。

明るいうちから、こんな高級店で酒を飲んでいるのか?どういう身分の人たちなんだろう…そんな下らない事を考えてトイレに向かった。





用を済ませて部屋に戻る途中、廊下を歩いていたら急に横の襖が勢い良く開き人が飛び出してきた。

「ぅわッ!!」

「キャッ!!」

ドカッ!とぶつかって、俺だけ尻餅をついた。
相手の声と、ぶつかった時のボイイン〜な胸の感触で分ったが相手は女性だ。

女の子とぶつかって俺だけ倒れるって実に恥ずかしいというか情けない…その前に謝らなきゃッ!

「ゴメンなさいッ!!御怪我はありません…か!?」

慌てて立ち上がって女性の顔を確認した俺は驚きと失望感に唖然とした。


「あっ、あゆむッ!!?何であんたがココにいるのよ!?」

「それは俺のセリフです」


・・・姉だった。

俺の目の前で仁王立ちする女性は紛れも無く俺の姉、真輝歩美だったのだ。
女性とぶつかったはずなのに、どうりで俺だけ尻餅をつく訳だ。
見た目には分からずとも意外と骨太でガタイの良い姉は確実に俺よりも強い。

最強だ。


くそっ!
って事は、さっきのボイイ〜ンの感触はゴリラ姉の胸か!!
俺の喜びとトキメキを返して欲しい。


俺がテンション低めで姉を見ると、姉が出てきた部屋からもう一人…

「どうした歩美、知り合いか?」

男らしい低音ボイスと同時に顔を出した人を見て、再び俺は驚いた。


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あきゅろす。
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