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☆★STAR★☆
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ってか、実は俺、女の胸を掌で揉んだ事は有りません!なんて事実を今さら言えない。

電車で女性の胸が身体に当たったり、昔女子生徒の胸に肘が当たっただけで幸せな気分になっていましたぁ〜、なんて情けない事は口が裂けても言えません!!

「…あれ?浜田君、女性にも興味あるの?」

「無いですよ」

「え?でも、だって…」

「SEXしてくれたら金をくれるって言う女なら仕方なく抱いてやりました」

うわぁ〜…最低だ。

ってか、神様って本当に不公平!

俺に、もし女性にモテる素質があったら彼女を作って大切にするのに…よりにもよって…こんな・・・。


「あ、でも浜田君!女性とも出来るって事は、きっと本当は好きなんだよ」

「嫌いではないですけど、決して好きじゃないです。行為中は萎えない様に目ぇ瞑って、頭の中では別の相手を抱くことを想像するのに必死でした。ちなみに今は自分を騙しても無理です。頑張っても女じゃ起ちません」

「・・・そ、そう」

俺はそれ以上何もいえなかった。

巨乳どころか女に興味の無い人に、巨乳の素晴らしさについて熱く語っても無駄だ。
魅惑の膨らみを、有ろう事か“ただの脂肪”と言った浜田君は有る意味可哀想だと思う、人生の楽しみを一つ捨ててる事にならないか?

まぁ、でも趣味が違うからこれはこれで良いのか・・・。

世の中には色んな人がいるんだなぁ〜…と、どこか人事に考えていたら。


「歩夢先輩!到着しました!!」

言われて前を見ると、どうやら寿司屋に到着した様だった。

ちなみに、その間ずっと俺は浜田君と手を繋いでいた。

人通りの少ない時間帯で良かったよ…


到着した寿司屋を見て違和感を覚えた。俺が普段行くような寿司屋じゃない

「あれ?浜田君、回転寿司じゃないの…?」

店構えが明らかに高級感溢れていて俺達のような若僧が入れる雰囲気じゃない気がする。そもそもここは寿司屋なのだろうかも謎だ。


「回転じゃないですよ。さぁ、入りましょう」

「え?入るの!?ここに!?」

「…??、そうですよ。寿司が食べたいって歩夢先輩が言ったんじゃないですか。寿司屋じゃなくて和食屋ですけど、ここの寿司は格別に美味いっすよ〜」

と、浜田君に手を引かれた俺は門柱を潜り抜け左右の和風庭園が美しい石畳の道を歩いた。

そして浜田君は何の気兼ねも無く扉を開けた。

すると上品な和服をきたオバちゃんが、これまた丁寧な御辞儀をして俺達を店の奥へと案内する。

俺は緊張しながらも、ただ黙ってついて行く。

こんな高そうなお店に入って大丈夫なのだろうか…、不安がつのり浜田君の顔をさり気なく伺い見たが彼はいたって普段どおりだった。

俺が見ていたことに気付いた浜田君も俺へと目を向けた。

「どうしました?…あ、俺、普段この店では個室を使っているんですが、もしかしてカウンターの方が良いですか?ここ、寿司のみのカウンターもあるんですよ」

浜田君の言葉に俺達を案内していたオバちゃんが立ち止まった。

「浜田様、いかがなさいますか?」

「歩夢先輩、どっちが良いっすか?」

「えっ!?ど、どどど、どちらでも良いです」

と、答えるしか出来ない。


「ひょっとして歩夢先輩、緊張してますか?それなら尚更、個室の方が落ち着けると思いますよ?」

「あ…じ、じゃあ、個室で御願いします」

俺の小さな声に頷いたオバちゃんは再び歩き出した。

綺麗に磨かれた廊下を歩くと、オバちゃんがまた立ち止まり襖を開けて和室へと俺達を案内した。

浜田君に手を引かれて入室するとオバちゃんは静かに襖を閉めたので、静かな和室に俺と浜田君の二人だけになった。

和室からは庭園が見えて、池にある獅子落としがカコーン…と軽快な音を立てた。

あらためて思うが俺達のような子供が来ていい店じゃないと思う。

政治家とかが会食などで利用しそうな和食屋だ。
こんな高そうなお店に入って本当に大丈夫なのか!?

まさか…浜田君、食い逃げをするつもりじゃないだろうな?


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あきゅろす。
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