☆★STAR★☆
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「確かに語呂が悪いかも・・・じゃあ、嫁?」
「何でだよッ!?…ってか、浜田君ってこういうキャラだっけ?」
「ん?どうゆうキャラですか?」
「…ちょっと変態っぽいって言うか、加藤みたいだ」
「あぁ…、まぁ俺も昔から加藤さんと一緒にいますし、一番の後輩なんで…、加藤さん程、頭のネジがぶっ飛んではいませんが趣向は似てるのかもしれません」
「・・・今まで浜田君って大人しい常識人だと思っていたけど、加藤が変人すぎて目立たなかっただけ?」
「変人って酷いッすよ!ま、否定はしません♪一応加藤さんが居るところでは俺、大人しいですよ?歩夢先輩には優しくても他の人に対して加藤さんは鬼ですから」
「加藤が鬼?」
「あ、今のは聞かなかった事にして下さい!!・・・今日は学校外で歩夢先輩に会えて、しかも帝王が居なかったのでテンション上がって少し調子に乗ってしまいました。歩夢先輩には申し訳無いと思っていますが後悔はしていません。歩夢先輩に触れられて幸せです!」
浜田君は本当に幸せそうに俺に微笑んだ。
「歩夢先輩、お詫びに何かご馳走しますよ?何食べたいですか?」
「マジ?奢ってくれるの?」
さっきまで怒っていたのに、高校生にもなって食べ物で釣られる俺ってアホですか?
しかも後輩に奢らせるつもりでいる俺って色んな意味で残念な人だと自分でも思う。
「もちろん俺の奢りです」
「す…寿司でも良い?」
「良いですよ。ちょうど昨日臨時収入が有って金なら沢山有るので、大トロでもウニでも好きなもん食って下さい」
・・大トロ。ウニ・・・。
ついつい目を輝かせてしまう。
俺も日本男児だ!過ぎた事にはこだわらず、男なら潔くセクハラの一つや二つ、キレイさっぱり水に流してやろうと思った(※寿司の為なら)。
俺達は愛しの魚介類に逢うべく駅のトイレを出た。
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ノーパンだと落ち着かないから途中でコンビニに寄ってパンツを買う事にした。
浜田君はその間、店の外でタバコを吸うと言っていたので俺は急いで会計を済ませてコンビニのトイレで着用した。
店外へ出て真っ先に浜田君の元へと向かった俺は、浜田君を7歩手前にした距離で立ち止まった。
見知らぬ不良さん達に浜田君が囲まれていたからだ・・・け、喧嘩?
あの制服は加賀見高校かな?
カガミも不良が多い学校で有名だ。
だが浜田君は数人のガラの悪い男達に囲まれても涼しい顔をしてタバコの煙を吐き出していた。
禍々しい雰囲気で怖かったけど、このまま浜田君の場所へ行かずに隠れているのも卑怯な気がして俺は勇気を振り絞り、何気なさを装って浜田君の元へと歩みを進めた。
それに、まだ喧嘩と決まった訳ではない。
他校にいる友達かもしれないじゃないか!
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