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☆★STAR★☆
お出かけ

「あの〜‥すみませんキング、どちらへ?」

「あぁ…栄町」


その町は学校から電車で三駅程の所で、わりと繁華街チック。

栄えている町だから皆“さかえ町”と呼ぶが正式名称は別に有る。

「すみません…何故、栄町?」

「お前バカ?今日は真輝歩美のライブイベントがあんだよ」


昨夜、姉がそんな事を言っていた気がする。確か‥ゲリラライブ?シークレットライブというのか?とにかく一般の人には内密で行われるはずだが…さすが俺が
勝ってに認めたアミオタ!どこからか情報を仕入れたんだろう。



だからって…

「何故俺も?」


「お前がどうやって手に入れたかは知らんが、あの写真を持ってたって事は俺の予想では真輝歩美に近い存在を知ってる…もしくは、お前自身が近い存在だ。少
なくとも何らかの捏ねを持っているだろ?」

-ギクッ!

たった写真一枚で普通そこまで読めるか?
何なんだこの男ッ!

顔も良ければ勘も良いぞッ!!さすがキング。


…でも、どうして真輝歩美に拘るんだろうか?
顔も金も喧嘩も強いキングは女に不自由してないし、実際に真輝歩美なんかより可愛い女子と歩いてる所を目撃した事が有る。

不思議だ…俺がチラッと横を見上げれば、キングは進行方向を向きながら言う。

「俺はどうしても真輝歩美に近付きたい理由が有る」


始めはただのアミオタかと思っていたけど…


「俺の中では99%確定しているが、念の為どうしても会って聞きたい事が有る」

何か訳ありだろうか?

並んで歩いているから横顔しか見えないがキングの表情は切なそうだった。

俺はこれ以上聞けず無言で歩いた。


暫く歩くと駅に付いた。
道行く人々がチラチラこっちを見てる。

それもそのはず、俺の腕は学校からずっとキングに握られているのだから…

「あの〜すみませんキング。切符を買いたいので腕を…」

「あ!…すまん!!」

どうやら無意識だった様だ。

ちょっと天然?

こんな事で驚いたキングを不覚にも可愛いと思ってしまった俺はどうかしているのか?


キングといい杉田君といい、怖い怖いとばかり思っていたけど意外と普通の男子高校生なのかもしれない…そう思うと俺の緊張が少しほぐれた。

俺がニコッ!と微笑めばキングは何故か顔を真っ赤に染め、口に手を当てて俺から視線を逸した。

ん〜…意味不明な所はやはり意味不明だな!



電車に乗る事数十分、俺達は栄町に付き改札口を抜けたが、時計を見るとライブまではまだ2時間以上もある。






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あきゅろす。
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