☆★STAR★☆
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―――ファサ…
「?」
優しく頭を撫でられる感覚に困惑しつつ俺はゆっくりと目を開けた。
?????
目の前では優しく微笑むキングが俺の地肌を触る様に髪に指先を差し入れ頭を撫でていました。
俺も杉田君もキングの不可解な行動に困惑ぎみ。
「何となく殴る気が失せた。それに…お前は俺の長年の願望が叶うキーマンなんだよ」
キングは俺の肩に軽くポンと手を置き耳元で「またな」と囁き教室を出て行った。
また?出来れば二度と御会いしたく有りません!
キングが教室を出て行った事に俺はひと安心・・・のはずが。
「す、す、杉田君、キングの後を追わないのでしょうか?」
不良が一名残っていました。
「千秋ちゃんは昼飯食いに行ったんだよ!俺も後から行くから大丈夫!!それより…」
ニコニコと嘘臭い笑顔を貼り付けた杉田君が歩み寄り、俺を囲む様に壁に両腕を付いた。
俺の後ろは壁。左右は杉田君の腕、正面は杉田君…脱出不可能。
これまた一年のくせに長身の杉田君に見下ろされ俺は威圧感で潰れてしまいそうだ。
「千秋ちゃんが誰かに興味を抱くなんて珍しいらしい事だからさぁ〜、ちょっと驚いちゃった」
俺はこの状況もそうだが何て言葉を返して良いか解らず黙って杉田君を見上げるしかない。
本日二度も至近距離で不良に見下ろされ、情け無い事に俺は恐怖のあまり泣き出してしまいそうだよ。
「君さぁ〜、一見普通だけど、近くでよく見たら結構可愛いね、上目遣いで瞳潤ませて…何?誘ってるの?」
「・・・えっ?」
誰か助けて!この人意味不明すぎて意味不明だよ。
「あぁ〜、その困った表情たまんね。誰もいないし、このままレイプしちゃおうかな♪」
俺は瞳を見開いた。
…そして遂に俺は我慢していたものが堰を切った様に泣き出してしまった。
「!!・・・じょッ、冗談だよ!ゴメン、ゴメン。怖いよな、まじゴメン」
うろたえた杉田君はキュッと俺を抱き締め困った様な笑顔で謝った。
あれ?この人以外と優しい?
慌てた杉田君が少しおかしくて、優しく包まれている感覚にも不思議と安堵して気持ちが落ち着いてきているのが自分でも解る。
「杉田君ッ…ヒグッ!ゴ・メンッ・・今日色々・・ッ・・有り過ぎてッ」
「泣きながら喋るな、謝るな、解ったから、安心しろって〜」
杉田君は親指で俺の涙を拭い再び抱き締め、俺の髪に鼻先を埋めた。
俺はと言うと落ち着く所か杉田君の胸元で精一杯泣きまくった。
杉田君の制服の胸元は俺のせいでグショグショに濡れていた。
さぞかし気持ち悪いだろうに彼は昼食休みが終わるまで、ずっと優しく俺を抱き締めていてくれた。
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