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杉田くん


俺が差し出した写真を見てキングの目が驚いた様に見開き無言のまま、ジッ・・・と穴が空く程に写真を凝視している。


ヤバイ!バレたか?

キングに渡した写真・・・・実は、幼き日の俺なんだよねぇ〜。


口が裂けても言えませんがッ!!!!



以前、慶斗にガキの時の俺を見たいとせがまれた為、偶然持っていた代物。


写真を見てたキングは暫くしてチラッと俺を見た。

俺は目が合ってしまい、蛇に睨まれたカエル状態。


「何故お前がこの写真を…」


キングが口を開いた、その時―



――…ガラッ!!




勢い良く戸が開けられ俺は更に凍り付く。

とっさにキングは写真を胸ポケットに仕舞い込んだ。



「こんな所にいたのぉ?千秋ちゃ〜ん、探したじゃない」


ヘラヘラと笑みを浮かべ、赤毛を指先で弄りながら室内に入ってきた男を俺は知ってる。

キングと共に大人数の上級生を、たった2人で倒した人物・・・


「杉田…広樹くん」


「んあ〜?千秋ちゃんコイツ誰ぇ〜?」


最悪だーーーーーッ!!

うっかり彼のフルネームを呟いてしまった。

キングだけでもツラいのにナンバーUまでこの密室に入って来ましたーーーッ!!

俺は情け無い事にキングと同じ一年で年下の彼にも怯え足が震えてる。

杉田君は俺とキングが立つ場所から1メートルくらいの位置で立ち止まり驚いた顔で俺の手元とキングを交互に見た。


「珍しいね、千秋ちゃんがカツアゲするなんて…」

「違う。カツアゲじゃない、俺金に困って無いし…」

「だよねー☆」

「最近人殴ってないから腕慣らしに、サンドバッグにしようと思ったんだけど…」



ひいっッ!!

メッチャ恐ろしい事言ってます!

キングは腕を振り上げた。



「ヒッ!」




俺はとっさに目をキツく閉じ肩をすくめた。


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