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・・・よし!返そう!

確か、あの3人組が着ていた制服って黒川高校の制服だった気がする。


黒川高校・・・


「やっぱり、行きたくねぇ〜…」

黒高って言ったら不良の巣窟じゃねーかよ。
あんな所に俺みたいなピヨッ子が一人で行ったら、お金を返すどころか追い剥ぎにあってしまうぞ・・・。

それに黒高で、あの三人を探すのもなかなか至難な業だ。

「はぁ〜・・・」

友達と一緒に行くって言っても、あんな不良高校に行くのを誘って何か有っても俺、責任とれないしなぁ。

その前にクラスの友達は皆、黒高の名前を聞いた瞬間、協力してくれないだろう。


病み上がりの慶斗を誘う訳にもいかない。

キングや杉田君は・・・?

いや、ダメだ!

俺は平和に、ただお金を返しに行くだけなのに、あの二人を連れて行ってしまったら戦争になってしまう気がする。

・・・・

「あーもうッ!!どうしようッ!」

ん?・・・黒高?

確か、黒高って加藤が在学する高校だったと思うのだが・・・。

「そうだ!加藤!!」

在学中の加藤に協力してもらえば、あの3人組を見つけ出す事も出来るかもしれない。

しかも安全!安心!

俺は携帯を手に取り、加藤に電話をかけた。


2回目のコールで加藤は電話を取った。

「あ、加藤?」

『ムー君ッ!!?え?マジ?ムー君!?ムー君から電話がかかってきたッ!!!』

うるせぇ〜・・・、電話越しでデカイ声を出すなよ・・・

俺は少しだけ携帯を耳から離した。


『ムー君から電話をかけてくれるなんて超嬉しい!夢のようだ!最高!』

加藤のやつ、夜なのにテンション高いな・・・、変な薬でもやってなければ良いが・・・。

「加藤、明日学校に行く?」

俺の友達だけど一応、昔から加藤も不良だから明日の登校の有無を確認せねば!アポ無しで黒高に出向くなんて自殺行為は致しません。 行って加藤が学校をサボっていたらアウトだからねぇ〜。

『学校?ん〜、気が向いたら行くと思う・・・何で?』

「ちょっと用が有って黒高で人を探したくてさ・・・、明日黒高に行こうと思っているんだけど、黒高ってガラ悪い人が多いじゃん?・・・俺一人だと心細いなぁ〜と思って・・・加藤が迷惑でなければ協力して欲しいと思っているんだけど良いかな?」

『します!』

「マジで?いいの?」

『当たり前じゃん!ムー君の頼みを俺が断る訳ないでしょ。明日は絶対に、何があっても登校する!明日、黒高に着いたら連絡して?ずっと携帯を握り締めて待っているから』

「加藤、ありがとう!それじゃあ、また明日ね」

俺は携帯を切った。加藤がいれば心強い!




いくらか心境が軽くなった俺は、携帯を握ったまま寝てしまった。






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あきゅろす。
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