[通常モード] [URL送信]

☆★STAR★☆
カモ

あ、やばい・・・と、思った瞬間。肩に手を置かれた。

「ねぇ僕ちゃん。お金持ってる?」
僕ちゃん・・・って、俺も高校生だから君らと同じ歳くらいだぞ。

「どうなんだよ!?」
俺が黙っていたら胸倉を掴まれた。
バイクの所にいた2人も俺の所に来て囲まれてしまった。

「素直にお金を出してくれないとボコボコにしちゃうよ?」
右にいる人が指をポキポキ鳴らしながら俺を見下ろした

怖いよぉ〜

ここで俺がお金を持っていないなんて言ったら
「嘘つけガキャー!!」
と、殴られる事だろう。

しかし、俺は実際に小銭しか持っていない・・・なんて恥ずかしくて言えるはずも無く、無言で彼らに財布を差し出した。

素直に財布を差し出した俺に気分を良くしたのか、軽い手つきで財布を開ける・・・が、中身を見て彼らの表情が暗くなっていく。

「テメー・・・なめてんのか?」

やっぱり、そうなるよね。
俺もビックリの金額だもん、今時小学生でももっと持ってるっつーのって感じだよねぇ。

「今時小学生でも、もっと持ってるぞボゲ!」
またしても胸倉を掴まれた。

ってか俺の心の声をリピートしやがった・・・何てワンパターンなんだ。

財布を持っていた人が俺の頬を、その財布でペシペシと叩いた。

「なめてんのか?ア゛ァッ!?」

ひぃーーーッ!!

マジ怖えぇぇぇえ


正面の一人が拳を振り上げた

「ヒイッ!!」
殴られるぅッ!


-ガシッ!


「ふぇ!?」
正面の人の拳は俺の顔目前で止まっていた。
よく見ると俺の背後から伸びる腕によって掴まれていた


「遅くなっちゃってゴメンね歩夢ちゃ〜ん。ちょっと小便してたわ〜」
俺の背後からはやる気の無い声

「何々〜?もしかしてカツアゲされてるの!?マジうけるぅ〜」
めちゃくちゃ楽しそうな杉田君は満面の笑みで3人の前に立った。

その内の一人が杉田君を見て口をパクパクさせて尻餅をついた

「あ、な、何故・・・波工の杉田・・・が?!」
一人の震えた声に他二人も一斉に杉田君を見た

「なっ波工の杉田ッ!?」
「狂犬ッ?う・・・嘘だろ!?」

あきらかに怯えた表情になった3人組

「あれぇ〜?それって歩夢ちゃんの財布だよね?」

杉田君が俺の財布を指差すと

「申し訳御座いませんでした。杉田さんのご友人とは思いませんでした」
その人は震える声で謝りながら、深く御辞儀をして俺の財布を杉田君に差し出した。

財布を受け取った杉田君はわざとらしく財布の中身を確認すると

「あれぇ〜?確かこの財布に3万入れていたはずだけどぉ〜??」

・・・はいッ!!?

[*前へ][次へ#]

26/109ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!