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turn>> RIN




「あのね!!レンこれはね…!!」

「へ、へー。成る程…」

「で、あれはね…!!」

「はー…」



とにかくレンは、家の中の物を不思議そうに見回す。


電気にテレビにパソコンに…
もう全部が全部知らないものだらけみたいで。

いちいち驚いたりする反応が面白くて、リンはレンを家の中のあちらこちらにつれ回す。

そんなことをしだして、かれこれ一時間くらい…


「でね、それはね!!」

「ご、ごめんリン…」


そう言うレンを見れば、ぜーはーと荒い息をしている。


「どうしたの?」

「いや…ちょっと…」


首を傾げるリンに、レンは言いにくそうに目を背ける。


「コラ、リン。
レン疲れてるわよ…」


キッチンから出てきたメイコ姉が、リンの頭をポンッと叩く。


「疲れちゃった?」

「う、うん。少し。」


言いながら笑う顔は、ちょっとひきつって見える。


「ほら、まぁちょっと休みなさい。」


メイコ姉はそう言いながら、リンの大好きなミカンジュースをにテーブル置く。


「わーい!!ありがとう!!」


喜びの声をあげると、リンはジュースに飛び付いた。


「レンもリンの横に座りなさい。」

「あっ…はい。」


言われたままソファに背筋よく座って、メイコ姉がくれたバナナ牛乳を不思議そうにレンは飲み出す。

そっか…疲れてたんだー。

いつものレンなら、すぐに怒って声を上げるのに…

今のレンは全然言ってくれないから、解らなかったよ。

だからこそ逆にレンに、リンは興味津々!!

だって本当に姿は一緒なのに、別人なんだもん!!


すっごい違和感があるけど、それが面白い!!

リンはチラチラッと、コップを口につけたままレンを見る。

う〜聞きたい事はいっぱいあるのに、疲れてるなら無理かな?

そんな目線を向けると、レンが目だけこちらに向ける。

気付かれた!?
リンがビクッと体を跳ねさせると、レンがクスクスと笑う。


「何か聞きたいの?」


また目を細めて優しく笑う。


「…聞いていいの?」

「どうぞ。」


顔をリンに向けて、レンは頷く。

それを聞いてリンは、ぱぁって元気になる。

ピョンって跳び跳ねるとソファーの上に正座して、体ごとレンに向き直る。


「ねぇねぇ!!
レンの世界では、本当にリンは王女様なの!?」


レンは食い付くリンに、少しだけ体を向けると話し出す。


「あぁ。リンは13歳で国の頂点に君臨した立派な王女様だよ。」

「えー!!どんな感じなの!?」


リンの問いに、レンは少し目を伏せて考えるような仕草をする。


「うーん…そうだな。
気品溢れて、気高くて…」


そこまで言うと、何かを思い出したみたいに含み笑いをする。


「だけど本当はとても無邪気でおやつの大好きな女の子だよ。」

「へぇー!!おやつ好きなんだ!?
リンと一緒だね!!」


リンがそう言うと、レンは少しだけ目を見開いた。


「やっぱり同じリンだもん!!
似てるんだね!!」


リンの言葉を聞いたその後に、やっぱりまた目を細めてそうだねと言って笑った。





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