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生きるために食べる人 (骸とM.M)

差し出された料理は見た目はそれなりによかったのだけれど味はお世辞にも美味しいとは言えないものだった。思わず顰めてしまった顔に笑みを繕いながら、テーブルを挟んだ向かい側で平然とそれを食しているM.Mを見つめる。作り手だから責任を持って食べるのかと思いきやそうでもないようで、次々に口に運ばれていく肉や野菜を見つめていると、流石に視線が鬱陶しく感じたのかM.Mが顔を上げた。

「なぁに骸ちゃん。ちょっと行儀悪いんじゃない?」
「すみませんM.M。しかし・・・」
「しかし?」
「あなたの祖国の料理はおいしいと聞いていましたが」
「その国の人全てが料理をできるなんて偏見よ。何処にだって上手な人とそうでない人がいるの」
「ですが」
「食べられるものなら何でもいいじゃない。美味しいものを食べたいのなら外食すればいいのよ」

さらりと言い放ち、M.Mは再び食事を再開する。手元の皿にのっている肉を見つめる。美味しくはないが食べられない程ではない。ナイフとフォークを握り直し、肉の攻略を再開する。夕食は自分が作った方がいいだろうか。それとも外食をするべきなのかと咀嚼をしながら考えた。



生きるために食べる人


(食事は楽しむものだとも知っているけれど自分で作る料理は生きるための糧で栄養さえとれればなんでもいいと思ってるM.Mと舌が肥えている骸)



あきゅろす。
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