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せめて人並みに強くあれ! (ランボとイーピン)

確かにかつて泣き出したあなたは家を飛び出して公園のブランコに乗ってふてくされていたりしたけれど、それは昔の話で、いい年をした大人になったあなたがそんなことをするなんて考えてもいなかった(というか考えたくなかった)のだけど、目の前の光景が現実である以上認めるしか無い訳で、イーピンは大きなため息を吐いた。

「ほら、帰るよランボ」

きぃきぃと音を鳴らしながらブランコに乗って体を揺らしていたランボの腕を掴むと、抵抗を見せずに素直に立ち上がった。そのままランボの手を引いて歩き出す。骨ばった手は大人のそれで、でも背後から聞こえるすすり泣きは大人のもの。体の成長に心がおいつかないのだろうか。最近のランボはことあるごとに泣いてばかりだ。昔のふてぶてしさはどこに消えたのか、物語なら泣き虫の幼馴染は騎士に変身して女の子を守るようになれるけど、現実はそう甘くない。そもそもわたしは守られるなんて柄じゃないがお守りは卒業したいと思うのはわがままだろうか。ああどうか雷の守護者よ、せめて人並みに強くあれ!ランボの嗚咽を隠すように西の空が曇天に染まり遠雷が響いた。


せめて人並みに強くあれ!


(ランボとイーピン。+10前後。)




あきゅろす。
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