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獣達の報復 (了平と雲雀とルッスーリア)

元々俺は一対一で真剣に勝負をすることの方が好きだし不用意に怪我をさせるのも好きではない。しかし仕事が仕事である故に必ずしも戦闘スタイルを選べるというわけでもなく、実際は多数の敵に襲いかかられることもしばしばで、飛び道具と拳の射程距離では圧倒的に投げナイフや銃弾の方が優位であることは誰の目に見ても明らかだ。避けられるものは避けても無傷で倒すことが出来るほど器用ではない。だから今回も飛んできた銃弾の何発かは喰らうことを覚悟したのだがそれは予想外の乱入者たちによって遮られた。

「群れるしか脳のない屑達が何をしているのかな」
「了ちゃんを傷物にしようなんて百年早いのよ」

突然現れた雲ハリネズミの群れ(これを言うと雲雀は何故か怒る)に恐れをなしたらしい襲撃者たちは最初の勢いはどこに行ったのか雲雀の射抜くような視線に怯んで後退する。その先にいたのはルッスーリアで、晴孔雀が俺の傷を癒しながら敵を威嚇するように吠えた。それが合図。自棄を起こしたのか叫び声を上げながら武器を構えなおす襲撃者。迎え撃つ頼もしい援軍。俺のことをそっちのけで始まった争いをどうしたものかと考えているといつの間にか俺の隣に立った沢田が胸の前で十字を切った。あぁ自業自得だが同情の余地あり。そもそもあの二人は何故あんなにも殺気立っているのだろう。疑問を素直に口にすれば沢田は引き攣ったようなつくり笑いで「お兄さんは知らなくてもいいんですよ」と言うのでそういうものなのかと思うことにした。



獣達の報復


(書いている間に予定してた話と大分違う方向にずれて何が何だか。とりあえず雲雀さんもルッスーリア姐さんは了平兄さんが大好きだって話を書きたかった。)



あきゅろす。
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