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-BR-
side-魅音2

レヴィが撃たれた…正確には、撃たれたかのような衝撃を受けた。

幸い、片手だけで済んだから良かったものの、レヴィにとってはやはり痛手らしい。

私とレナには理解できないけれど、確かなのは異常なまでに怒鳴ったり椅子を蹴ったり。

…元々、気性が荒いようには見えたけれど…ケガ人がこんなに暴れるところは、正直初めて見た。

『痛ェ、クソッ、次会う時は蜂の巣どころじゃねェ!!塵だ!!例えじゃなく、塵にしてやる!!』

日本語に訳すると伏せ字必須なのだろう。私達でも知っているくらいのスラングを吐き散らす。

私とレナが手当て…とは言えその場しのぎの応急処置にしか過ぎないものではあるけれど、施して…それでもまだやはり、痛みは治まらないらしい。

…怖いとも言えるし、鬱陶しいとも言えた。

「…レナ、どう…しようか。」

「…ジルさんが居ないとレナ達…危ないよ。」

「…でも。」

足手まといの私達は居てはいけないような気がして。

「…魅ぃちゃん。レナには分かるよ。レヴィさんは多分…自分に怒ってるだけ。」

…それもあるんだろう。

悔しかっただろうし、負い目を感じているのかもしれない。

「…だから魅ぃちゃん。気にせずにレナ達はレナ達にできることをやろう?できることって言っても少ないかもしれないけど、ジルさんなら分かってくれる気がする。きっとレヴィさんも。」

…落ち着いたその言葉に、焦り気味だった感情がゆっくりと波の粗を静めた。

…そうだ。私だって、改造エアガンくらいは持っている。敵を倒すことはできなくても牽制くらいはできるんだ。

…無力なんかじゃない。

大事なのは役に立ちたいと思うこと。

…自分で道を開く為により多く動くこと。

「…レナ、おじさん…外に行ってくる。」

「…え…?…危ないよ…せめてジルさんと…あ…」

…そう。負傷中のレヴィを1人…もしくはレナと二人きりにはできない。

ただ、いつまでもここに止まっているのは得策ではない。

場所を変えるなら次に行く場所を見つけ、スムーズに移動できる状況を作っておきたい。

「…ジル。」

私が立ち上がりドアに向かいつつ名前を呼ぶと、ジルも立ち上がり、暫く何かを考えこんだ後にレヴィと何やら話し始めた。

…私よりもっと早く、ジルもレヴィも同じ考え…いや、それよりもっと先の段取りを組んでいた筈。

…私が下手に口を出すべきではない。

「…大丈夫だから。」

「…気をつけてね、魅ぃちゃん。何かあったらすぐ帰ってきてね…?」

「分かってるよ…大丈夫。心配要らないよ。」

…私は覚悟を決めて、外人勢が出すであろう答えを待った。


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