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短編駄文
虚構

何も無かった。

ただ真っ白な世界。空虚な空。全てが白。

「あははははははははははははははははッ…!!」

気持ちの悪い笑い声がただ、この真っ白でだだっ広い空間にこだますだけ。

それ以上もそれ以下もそれ以外も何も存在しない。

「さようなら」

私はそれだけを告げて、両手を広げて身体を傾け、この空間を出た。










―――朝日が眩しい。

カーテンを閉め忘れた窓際から眩い太陽の日が私の顔を照らす。

「朝…かぁ…」

気だるく憂鬱な身体と心をたたき起こして小さくおはよう、と呟いた。









「おはようございます、お姉。」

もう…動かなくなったお姉に語り掛ける。

「ずっと…愛してますからね…」

お姉は微かに笑って応えた。

「詩音はさぁ、今日の夜何が食べたい?」

「あなた…もう動けないじゃないですか」

気まずそうな顔で無理な笑顔を見せるお姉に私は

「今朝は随分とお茶目なんですね。」

と付け加えて告げる。

「今日はレナさんと…デートなんです。」

お姉の顔が少し引きつった。

「そう…なんだ。」

「…はい。じゃあ、行ってきますね。」

お姉の身体にそっと布団を被せて早々に支度をし、朝飯は食べずに家を出た。

虫の羽音が喧しかった。




―――興宮商店街。

レナさんは辺りをきょろきょろと見渡しながら腕時計を気にしていた。

「お待たせ…レナさんっ。」

「あ!おはよう詩ぃちゃん…」

レナさんもお姉と同じで気まずそうな苦笑い。

「それじゃあ、行きましょうか。」

「も…もう…行っちゃうのかな…かな…?」

「私は…それが目的ですから。レナさんが嫌なら今ここで嫌だって言って下さい。」

「ちっ…違うの詩ぃちゃん…レナは…ちょっと恥ずかしかっただけで…」

言い方がきつかったのは反省。でもレナさんの反応が可愛くて謝る気がしない。

もっとイジメたいと感じたから。









「詩ぃちゃんッ…ん…いやっ…こんなの…」

レナさんの腕それぞれと柱に手錠をかけて拘束する。

「変に動くと手首を痛めますよ?」

今、私はどんな顔をしているんだろう。

レナさんは私の顔を見ては頬を赤らめ目線をじれったく斜めに反らす。

「外してくれないかな…かなっ…!」

「いやです。」

レナさんの身体と私の身体の距離は0になる。

「詩ぃちゃん…あのねっ、やっぱり私…そのっ、帰るね…?」

「いやです。」

耳元に息をかけるように囁きそっと胸元を撫で回しつつ後頭部に手を添えてグイッと引き寄せる。

「止めて…止めてよ詩ぃちゃん…お願い…」

「いやです。」

怯えたような、困ったような…そんな表情で私を見上げるレナさん。

その僅かに震える唇にそっと唇を重ねて…開いたり閉じたりを繰り返し唇の感触を確かめる。

「ん…んちゅ…ちゅ…」

「んあ…ちゅ…やっ…」

嫌がろうにも手の自由は効かずただ顔を左右に振るだけ…それさえもやがては無くなりとろんとした目でこちらを甘く見つめる。

無言で、誘うように。

そんな顔されたら私、もう引くことはできない。

レナさんの膝辺りに指を添えついーっ…と撫であげる。ワンピースの裾をゆっくりとたくし上げては太股と股関節の間に食い込む下着のラインをついついとなぞる。

「やだっ…あっ…いやぁっ…んんぅ…」

言動と反比例し感じている様子。寧ろ、その抵抗を示す言動がレナさん自身の欲情を煽っているのではないか…とさえ感じる艶やかな声。

私は相変わらず耳元で

「感じてるんですよね…?レナさんっ…」

とわざとらしくいやらしい声色で告げつつ耳たぶから首筋にかけて舌をぺろぉーっと往復させた。

「違うよぉっ…嫌なのっ…ホントなんだよ…だよっ…?」

「嘘をつくのが下手ですね…ほーら。」

太股から下腹部を行ったり来たりしていた私の指を不意に秘処へと意地悪にグイッと当てがう。

「んきゃうッ…!?」

このタイミングで触られるとは思っていなかったのだろうその身体はビックン!と激しく大きく揺れ驚いてみせた。

秘処はしっかりと愛液に濡れており下着を湿らせていて、嫌だなんていう強がりは説得力の欠片も無い。

「あはっ…レナさん…こんなに濡れてますよ…どうしちゃったんですか?」

「いやぁぁんッ…言わせないでよぉッ…」

「気持ちいいんですよね?感じちゃってるんですよね?手錠をかけられて…興奮しちゃいました?」

「いやぁぁぁぁ…ッ…!!」

羞恥に耐えられず顔中真っ赤にし消え入るような声で悶えるレナさん。

堪らない…いやらしい…

「変態。」
その言葉は咄嗟に出た。レナさんを無理矢理に悦ばせ気持ち良くさせることに恍惚と高揚を得た私の口から自然に不意に漏れた。

「そんなッ…詩ぃちゃんがこんなことするからッ…ひやぁぁぁッ!?」

にゅちにゅちにゅちにゅちッ。

何も言わせない。言い訳をするな。あなたは今、現時点で感じている。気持ち良くなってしまっている。
嫌がっているにも関わらず手錠をかけられ無理矢理触られて。

それを分からせてやりたくて下着越しに秘処を前後に、全体的に人差し指と中指で擦りつける。

時折陰核を摘み時折割れ目を両側から圧迫したり。

「こんな事するから…なんですか?」

「それはぁぁッ…ひぃぃぃッ!?んぁ!あんッ!あぁッ…きゃんッ!!」

「言えませんか?そうですよねー…こんなになってるなんて…私でも恥ずかしくて言えませんし。」

「いやッ!!あッあッあッあッ!!んんーッ…ひうぅぅッ!!」

その秘処はもう、滅茶苦茶だった。快感に狂い病的に痙攣しはしたなく愛液を垂らし、下着など最早意味なく床や私の太股に零れ落ちる。

「…何回イッてます?勝手に…イッちゃってますよね?」

「詩ぃちゃッ!!きゅうぅぅッ!?…壊れちゃうッ!!もうぅぅッ!!ホントにッ…きゃあぁぁんッ!!」
「あぁぁっ!!今イキました!?またイキましたね!?我慢して下さいよ…気持ち良すぎて壊れちゃいましたー?あはっ…えへへっ…!!」

「はぁッ!はぁぁッ!?ふぁ、あぅ、んうぅぅぅッ!!んきゃぁぁぁうぅぅッ!!」

既にレナさんは快感に狂い果て身体を反らしビクビクと頻繁に痙攣し喘ぎ声とも呼べぬような程に絶叫しつつ果てに果てまくり黒目を天井に向かせ口は開きっ放しに。

「レナさん、トドメです。」

「ダメェェェッ…もう無理なのッ!!ホントに止めてッ!!レナ死んじゃうからッ…ホントに…いやっ…あっ…やめッ、ああぁぁぁあぁぁぁぁああぁぁッ!?」

下着を乱雑にズイッと下ろし快感に狂いヒクヒクと痙攣する秘処に指を当て…一気に最奥までグイッと指で突く。

ぐっちゅぅぅぅッ…!!

「いッ…ひぃいぃぃぃいぃぃいぃぃぃぃいいぃッ!?んッあぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁあッ…!!」

連続的に絶え間なく絶頂し続けまともでは無い、異常な喘ぎを発し…全身を壊れたように痺れさせ、レナさんは絶頂し…ガクンと力を抜いて気を失った。

手首に食い込む手錠が痛々しかったので急いで手錠をカチャリと外してやりレナさんの身体を抱き止める。

「可愛かったですよ…レナさんッ…」

両頬に手を添えそっと唇を重ね…レナさんの衣服の乱れを直してやり、指や手首に付着した愛液をぺろっと舐め取ってそのまま部屋を出た。









―――ただいま。

「詩音!おかえり!」

部屋に響く綺麗な声。
お姉はこんなに待っていたにも関わらず…喜んで私を迎えてくれた。動けないのに…やる事もなくて暇だっただろうに…

「お姉…ごめんね…私…」

お姉の身体をそっと抱き締める。

「いいんだよ詩音…おじさんはどんな詩音でも受け入れるよ」

「ありがとう…ごめんなさい…」

「よしよし」

お姉は優しくそう言って、涙を零した。












――――――――――
「圭ちゃん」

不意に俺を呼び止めたのは詩音だった。

「なんだよ…」

苛立ちを抑えようとしたがどうしても滲み出てしまう。

「圭ちゃんに会って欲しい人が居るんです。」

俺は違和感を感じながらも詩音の言う通りに従った。

俺に会いたいやつなんて…誰が居るんだ…?




そこは詩音の部屋だった。

「ゲホッ…ゲホッ…!」

思わず咽せ返る。しかしぐいぐいと詩音の手が俺を引っ張りこむからもう片手で鼻を塞いだ。

詩音が布団をバサッと捲る。

布団の中から現れたのは…









―――グシャッ!!













―――あの日から魅ぃちゃんは居なくなった。
そしてまたある日からは圭一くんさえも居なくなった。

圭一くん…どこに行ったの…またレナを必要として…レナは圭一くんが必要なの…

ねぇ… どこ… ?

圭一くん…圭一くん…一緒に居た時のこと…忘れちゃったのかな…?
もう会えないのかな…?

もし、まだ覚えているのなら…戻ってきて…レナ、なんでもするから…!


魅ぃちゃん…魅ぃちゃん…レナのこと、忘れてくれたんだよね…?まだ、どこかに居るよね…?
どこかで幸せになってくれてる事を…レナは祈ってるね?





「あははははははははははははははははッ…!!」



空虚な空に嘆くように笑った。

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あきゅろす。
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