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闇来し
再会

今日もよく頑張った。バイトから帰った私を迎えてくれるのは久しぶりの"レナとの夕飯"。

「おかえりなさい、魅ぃちゃん。」

「ただいま、レナ。」

こうでなくちゃ、本調子は戻らない。

レナと私は漸く…元通り。

本当に嬉しくて。

幸せだな、なんて感じながらレナとのご飯を楽しんだ。

「それでねっ?先生に誉めて貰えて…」

「レナも成長してるんだよ、学校頑張ってたもんね?」

話が弾む。一週間も間が空けば話のネタもたくさん溜まっている。

一旦お風呂を済ませてからも、暫くレナと話した。

楽しいって 心から思えた。

一頻り話し終え、時計に目をやる。

明日は朝からバイトだ…夕方には帰れるのだけれど。

「さ、そろそろ寝ようか…?」

「うん…あ、魅ぃちゃん…明日夕方には帰れるんだよね?」

レナが袖をきゅっと握って引き止める。

「あぁ…でもその後ちょっと予定が。」

私が応えると、レナが少し、悲しそうな顔をした。

「…誰かと遊ぶのかな?」

「大学の友達とねぇ…ごめん、明後日はバイト夜からだから昼間空いてるよ。」

「そっか…。本当っ?じゃあじゃあ、その日はレナと街ぶらで決定だねっ?」

「そうしよっか。楽しみだねぇ。」

「うんっ、魅ぃちゃんとデート嬉しいなっ…」

素直だ。可愛い。

「じゃ、おやすみレナ。」

頭を撫でてやると、レナは上目遣いに甘えながら

「おやすみなさい、魅ぃちゃんっ。」

と微笑んで、ドアを閉めた。















「ふぁーっ!!今日は遊んだねぇ!!遊び疲れたよおじさんは!」

大学の友人とバトワン(BATTLE 1)で遊んできた。

バトワンは凄い。多種多様なスポーツができる"スポーツマン"や、アミューズメント施設がずらりとある。

正直、飽きない。

友人達とはボウリング、バドミントン、カラオケやプリクラなんかで多いに盛り上がった。

「ミキも疲れたの…魅音ちゃん、おんぶー…」

バイト先が同じの美希も一緒だ。この子も少し、不思議ちゃんだけど根は優しいし純粋。しっかりは…していない。

「魅音ちゃんと美希ちゃん仲良しだねー!!」

「そうでも無いのー。」

「コラ美希!!おじさん本気にしてヘコむから止めな!!」

アハハハハ!

4人で遊んだが、4人でも十分に賑やかだ。

「ほんま仲良しやなぁ…巨乳同士通じるもん持ってんねや」

「そうそう巨乳同士でブラの交換とかして盛り上がって…って、誰がブラトレードかー!!」

「………今のはダメ。」

「滑ったの。」

「ちょ、えー?ノッたらそれでいいんじゃないのー?」

「でも今のはあかんわ。」

「…さ、そろそろ帰りますか。魅音ちゃん最後に一言。」

「え?そんなのあるの?」

「ミキも聞きたいの!」

「そんなにおじさんに締めて欲しいのかい?仕方ないねぇ…ゴホン、えー本日は皆さん「お疲れ様ー!!気をつけて帰ってね!!」

「ちょ、酷いっ!でもお疲れ様!!」

「あはは!魅音ちゃん気ぃつけてなー」

「また学校でなのー!!」

「はーい!おやすみー!」

楽しい友人に恵まれたなぁ…なんて思いながら、各々を見届けた。

電車で帰る美希、他の二人は車で。私は近いので徒歩で帰宅する。

…レナ、絶対まだ起きてるな…もう深夜だけど。

お土産でも買ってあげよう…深夜に甘い物はよく無いかな?…かと言って油モノなんかも太るし…

そんなことを考えながらコンビニに入る。

何がいいかねぇー…シュークリームうまそー…タルトも捨てがたい…

「魅音?」

え?誰?

甘いもの選びに夢中になっていたら…不意に名前を呼ばれて、とっさにそっちへ向く。

「魅音!魅音だろお前!うおぉぉぉ!!」

「…圭ちゃん!?圭ちゃんなの!?」

その男の人はサングラスをかけていて、それでいてスラッとしてて高身長で…あまりにもイケた兄ちゃんなものだから誰かと思えば。

声で、わかる。

「魅音!何してんだこんな所でぇっ!」

「うっそ、本当に圭ちゃんだ!!あんたこそこんな所で何してんのー!?」

圭ちゃんはサングラスを外す。

その眼は本当に…変わってない。熱くて、勇気に満ちている…綺麗な眼。

「こっちに高校のツレが居るんだよ、休みだから遊びに来てたんだ…つかお前、この辺りなのか?」

「なるほどね、あぁ…ホンットすぐ側だよ。いやぁーおじさんびっくりしちゃった!」

「びっくりしたのはこっちだって…んぐ、魅音…とりあえずここを出よう。」

大はしゃぎした為か、気がつけば他のお客さんと店員さんが此方を凝視していた。









「実家に帰る時くらいしか連絡しねぇもんな…年に一回会うか会わねぇか…いやマジで奇跡だってこれ!」

「だねぇ…滅多に無いね、こんなの。」

…せっかくだ。

「圭ちゃんウチにきなよ!外じゃ募る話をするにも辛いしさ!」

「…いいのかっ?こんな時間に…つかお前、俺も男だぞ一応。」

「…おじさんを襲うってのかーい?」

指をこきこきと鳴らしてはニヤリと笑んで圭ちゃんを威嚇。

「いや、逆に襲われそう「はい死刑!!」

思わず、腹を抱えて二人で笑い合った。

「はぁっ…相変わらずだな、魅音…。本当にいいのか?」

「いいよいいよ、あ…圭ちゃんが良く知ってるかぁいい女の子も一緒だよ?」

「かぁいい女の子?…え、マジかよ、レナ?」

「お、ボーナス確定。」

「え、もしかして一緒に住んでんのか!?」

「大当たり!」

圭ちゃんは…仲間との再会に本当に感動していた。

まだまだ子供だね…ま、男なんてこんなもんかもしんないけどさ。

「レナとも会いたいな…レナ寝てないか?本当に…」

「起きてる起きてる、いつもこのくらいの時間はまだ起きてるよ。明日休みだし。」

「んじゃ…少しお邪魔するぜ?あ…ツレに連絡してくる」

「ん!」

圭ちゃんはぱたぱたと走って公衆電話へ向かった。

未だに子供っぽいんだから…ほんと。

初恋の相手は、あの頃と変わらずに、かっこよくて可愛かった。


















「なんか緊張してきたぜ…レナか、さぞかし可愛くなってるだろうな…」

我が家のドアの前で圭ちゃんは深呼吸する。

「さぁてどうだか。」

「魅音も女らしくなったな…随分と。」

「そりゃああんたもだよ圭ちゃん。」

ドアを開ける。

レナはどんな顔するだろう。

「ただいまレナー。」

とたとたと小走ってくる音がする。

桃色パジャマ姿のレナが迎えてくれた。

「おかえり魅ぃちゃ…え?」

いつも通りに笑顔で迎えるも、イケメン連れであることに驚愕し、不安そうに此方を見る。

「こ、このイケメンさんは…誰かな…かな…」

そんなレナを見かねてか、圭ちゃんがサングラスを外した。

「わかるか?レナ。」

暫く茫然としていたが、やがてレナは顔をぱーっと明るくし口に手を当てながら更に驚いて

「圭一くん!圭一くんだ!」

と、私と同様にはしゃいだ。



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