☆スイート・ライク・チョコレート※バイオレットヒル番外編。
※微裏注意。
兄貴と桃子さんが恋人同士になってからの話です。
キングクリムゾン状態で説明不足ですが、兄貴は桃子さんに頻繁に会いに行けるって前提があります。
畳に折り重なる衣々。それは仕立ての良いダークブルーのスーツと淡い花色の着物。
黒髪を乱す若い女性と、愛しげに見つめて身体を重ねて口付けを落とす金髪に青い瞳の美しい男。
薄闇に浮かぶ白い女性の裸身。
そのやわらかな胸にはう男の手に、彼女の手が合わさる。
「あ……プロ…シュート…………だっこし…て」
「…ああ」
抱き合う身体、引き締まった胸とやわらかな膨らみが触れ合う。
「あ…っ、あっ………あなた……ッ」
「桃子、目を開けてくれ」
「は、い…っ」
閉じた瞼にキスされて、開く瞳に小さく笑いかける声。
「ああ…綺麗だなァ、お前の眼は…。
ずっと見られてぇな」
「…!
あなた…、あっ…、やぁッ!」
触れる指に彼女の身体が跳ね上がる。
そのやわらかなシーツに広がる艶やかな黒髪の森。
そこには様々な、彼女を表す物が隠れている。
それは花盛りの八重桜の花びらが隠れている。
それは海の碧と桜になりたかった櫻貝の貝殻が隠れている。
それは乳白色と黄金の真珠が隠れている。
それは鷹の羽根が隠れている。
それは藤の花と番(つがい)の白鷺が隠れている。
それは翡翠の玉と珊瑚の玉が隠れている。
それは色とりどりの蝶の群れが隠れている。
それは金細工の夜啼鶯(ナイチンゲール)が隠れている。
それは螺鈿の小箱が隠れている。
それは象牙の壷が隠れている。
それは心を酔わす音色の琴が隠れている。
薄紅に染まる、彼女の、桃子の肌に所々に刻まれる赤い印は薄闇に浮かぶ。
まるで雪の中で椿が花咲く様に。
頼りなく空中に伸ばされるか細い手は、それを包む男の手に取られ、固く指を絡めとられる。
此処にいる、傍にいると。
「プロシュート……っ」
その男…プロシュートは彼に抱かれて甘い声をあげる恋人の桃子を抱き締め、漂う花の薫りに目眩を覚えながら、知り尽くした彼女の喜ぶ場所を攻めていた。
漂う夢心地と幸福に酔わされている。
彼女が己の手で乱されている事に…この上なく満足感に満ちて。
…自分は彼女のものだ。変わらずに。
そう何度告げただろうか。
恥ずかしがって、真っ赤になり眼をそらす彼女を抱き締めながら、どれだけ彼女を愛していると告げただろう。
彼はただ彼女だけを見ている。
その強い意志を秘めた青い瞳で。
天青石、藍銅鉱、燐灰石(アパタイト)、藍晶石、タンザナイト、青水晶…燃える青玉(サファイア)。
万華鏡のように混ざり合う光の海で、彼女をどれだけ見つめていただろう。
それは桃子が、私の家族になって下さいと、つま先立ちをして精一杯のキスをしてくれたあの時から。
初めて現実で出逢った時、美しい着物で身を包んだ彼女を目にした瞬間から。
白木蓮の花の光る夢の中、仕方のない必然の喪失に堪えていた時に、目の前に躊躇いながら現れた時から。
『プロシュートさん…
…あなた…』
唯一妹以外で彼の心を、あたたかく満たす女性。
美しく長い黒髪も、控えめに光る漆黒の瞳も、珊瑚色の唇も、粉雪の白い肌も、何もかもが愛しくて。
その小柄な身体は、いつまでも腕の中に閉じ込めていたくて。
やわらかな手は、いなくなって欲しくないと、いつまでも握っていたくて…。
彼女が自分を見てくれるのが嬉しくて、控えめな優しい声で自分を『あなた』と呼んで笑いかけてくれるのが、どうしようもなく幸福で。
それほどまでに彼は桃子を…遠い異国の着物の似合う恥ずかしがり屋の彼女をひたすら愛して、変わらずに恋慕っていた。
そして今も、彼女に尽きぬことのない想いを注いでいる。
これまでの一夜限りの美女達よりも遥かに優しく情熱的に抱いて、普段は彼女の様子が面白くてからかったり、誰にも見せなかった弱さを見せるまでに彼女に甘えて心を許すまでに。
その行為を彼は恋人の彼女に多く行う。
桃子自身もあまり慣れる事ない行為に恥ずかしがりながらも、それでも愛しそうに見つめられ、沢山の優しく贈るキスと降り注ぐ情の言葉と共に甘やかされるそれは嫌いではなかった。
くたりと力を失う身体。桃子の胸の上に軽く覆い被さるプロシュート。
やわらかな髪の感触と、その艶やかに吐き出す息はあまりに妖艶で。
ぎゅっと瞳を閉じてハアハアと息を吐く桃子の唇を柔らかく塞ぐ彼。
頬に左右に手を添えたまま、わずかに離した唇の狭間で
「…愛してる、桃子」
と熱の籠った声で囁いて、彼女の可憐な唇を自分だけのものだと再び塞ぐ。
それは何度でも彼女に言い足りない言葉。
熱にうなされたようにとろんとした黒い瞳は、ゆっくりと光を取り戻し、徐々に彼の姿を映すと恥ずかしげに微笑む。
それに彼は彼女の頬に左右の手を添えながら、キスの至近距離でニッと笑って意地悪く聞いた。
「良かったか?」
「うっ…。バカ…、えっち………。そんなこと…聞かないで…」
そう冗談混じりに聞く彼に、桃子はカーッと顔を赤らめていく。
それでも彼の甘い視線にいたたまれなくなって
「あの………、は、…はい………すごく……きもち、よかった………って、何言ってるの!」
と言うものの、もう限界だと顔を横に向ける。
それにからかい過ぎたかと片眉を上げて笑いながら、彼は彼女の頬を口付けて、さらりと髪を撫でると、少し眉をひそめた桃子は言う。
「けど、貴方はげ……し……っ。
私…、また腰、痛くなっちゃいます…動けなくなったら…どうするの?」
顔から蒸気が出そうな程に赤くなり、上目遣いで見つめる彼女。
その様子が可愛らしく思い、再び彼はその林檎色の頬にキスを落として、やわらかさを味わった。
「おいおい、何言ってんだ。
これでも加減してんだぜ。気絶しちまわねえようにな。
こうしてオメーと話してえからよ。
それにオメーが動けねえなら、仕事放り投げて一日中付きっきりで面倒見てやるよ。着替えから風呂の世話までな。
ん?風呂か……そういや、久しぶりにオメーに背中流してもらいてえな」
そうわざと色気をこめて低く囁きながら、腰をわざとらしく撫でる。
「えっち!このハレンチ男!
そのまんま、お風呂に私を引きずりこむ気でしょ!それで……あんな事や……こんな事……して………ッ!」
そんな彼に彼女はその時の事を思い出して、わなわな震えながら、これ以上ない程顔を赤くして怒った。
祖父にコレと決めた愛する男には徹底的に尽くして世話をしろと言われた彼女。
それは以前、プロシュートが任務を終えてスーツを血まみれにしちまったと相変わらず物騒な事を愚痴りながらやって来た時。
お風呂沸かしてありますからと、新しいスーツを用意して彼に声をかけた彼女は、急に祖父の言葉を思い立ち、着物にたすき掛けした姿で、あまりにもベタな『お背中流します』と声をかけたのだ。
それに彼が何も思わない筈がない。
最初は大人しくされるがままにしていた。
だが、桃子が何回も見てるのにプロシュートの漂う色香と、お湯で流されて滑り落ちる香る泡から見える美しい身体に、急激に恥ずかしくなり、
『わ…私、用を思い出しましたっ』
と足早に浴室から出ようとした。
けれど、それは叶わずに。
『そうはいくか、待ちやがれ』
その腕を彼は捕まえて、
『…ん……っ、あっ、や、やめて…ッ』
『ハッ!Cara mia(カラミーア※愛しい人)。そう言われて、そういう訳にはいかねぇな…諦めな 』
そして、そのまま彼女のお団子にした髪をほどいて着物を脱がしながら、熱く口付けて檜の香る床に押し倒した。
いくら抵抗しても、それはますます彼を煽るだけで、なすすべもなく。
こうしてその日、桃子は風呂場から一時間弱、抱えられて連れられた自分の布団の上でまた小一時間は余裕で彼から解放される事はなかった。
そして、プロシュートは香り高い木の日本のお風呂をますます気に入った。
桃子は、しばらくここで入浴する度に一人で思い出して、ぶくぶくお湯に顔を埋めたという。
ああやるんじゃなかった、なんであの人は自分より無駄に色っぽいんだと彼女は頭を抱えたともいう。
「濡れて透ける白い着物が、なぁ。
あれがいいんだ」
「バカ!
えっち!スケベ!」
手をパシッと叩き、身体をぐるぐる一人毛布に巻いて背中を向ける。
「そりゃ誉め言葉だ。
オレが欲情しちまうのはオメーだけだがな。大体オメーがアホみたいにボケッと無防備なのが悪いんだろうが」
そんな彼女にプロシュートはニヤリと笑いながら、余裕の様子で桃子を後ろから布団ごと抱き寄せて、髪に顔を埋めてうなじにキスをした。
そして背中越しの彼女の肌の滑らかさを堪能してると、ふと手の動きを止める。
「…そういや、今日も桃子が可愛かったから、抱くのに夢中で渡しそびれちまった」
「……ッ。だからっ、イタリア人みたいなラテン系と違って日本人はやたら愛情表現に慣れてな…………、え?」
「ほれ」
上半身だけ起き上がった彼から差し出された、いつの間にか取り出された包み。
それは上品な光沢を放つ深紅の包み紙とモスグリーンのリボンで飾られていた。
「…?あの…これは…?」
タオルケットをグルグル胸元にたぐり寄せながら受け取る桃子は頭にハテナを浮かべたままだ。
それにプロシュートは桃子の肩を抱き寄せ、
「…女に渡すのはお前が初めてだ…」
と囁き、唇に触れるだけのキスをすると華やかに笑った。
「『Buon san Valentino』
…オレの愛しい桃子」
見つめる間近の瞳は揺らめくアクアマリンの海に輝く。
喜んでくれたら嬉しいと、その瞳は無言で語っていた。
「ばれんてぃーの?
あ…、え…………?
あっ!バレンタイン!
でも、男の人が贈り物…するんですか?」
「Valentinoは普通そうじゃねえのか?
オレの国じゃ爺さんも小僧も皆そろって愛する女にプレゼントするんだ。
同僚も、あのボンヤリしたイカスミ野郎の上司だってそうしてるくらいだぜ。
まぁ、とりあえずそういう事だ。
開けてみろよ」
「は、はい…」
おそるおそる包みを開くと、中にはバーチチョコレートの箱と、控えめに光るアンティーク調の髪飾り。
花の蕾に見立てた小粒の淡水真珠。
淡い桃色の薔薇の花。
それはかすかな振動で花の部分だけが繊細に揺れるトレンブランの仕掛けがされている。
中央に赤みがかったアメジストが控えめな輝きを放つ、美しい細工のもので。
きっと桃子も好きな大正ロマンを思わせるアンティーク調着物にも似合うに違いないものだった。
「………綺麗っ。いいのかしら、こんな素敵なの頂いて……。
ありがとうございます、あなた……」
きっと高いだろうそれは、彼が日々身を危険に晒して、与えられた満足とはいえない報酬から自分の為に買ってくれたものなのだ。
自分がこんな安くはない物をもらっていいのか。
そう気後れして恋人に視線を向ければ、髪飾りを乗せた桃子の手の平を長い指が包んで、彼は美しく微笑む。
「…お前には感謝してるからな…」
そうウォーター・サファイアの瞳で彼はそう言った。
「そんな…私、何もしてない…」
「してるぜ?Cara mia、オメーが無自覚なだけだ。
…そんなお前も大好きだ」
「!…………っ」
そう。
桃子が恋人同士になってから彼を『あなた』と呼ぶように、プロシュートも桃子を同じようにそう思っているのだ。
だからこそ、それを贈った。
戦いに挑んだ彼女の国の古代の神が、愛しい女性を髪飾りに変えて、身につけた話のように、自分はいつでも彼女の傍にいたいと。
たとえ自分がいつか死んでも、それを見て時には少しでもいいから思い出して欲しい、忘れて欲しくない…いつまでも愛していると意味を込めて。
瞳を閉じて額を重ねる。
「お前に愛されて…大切にされて幸せなんだ…オレは」
囁く声。
情愛の籠った。
ろくな死に方はしないと覚悟し、死の影に追われながらも、それでも自分は幸せなのだと告げる言葉。
「……っ……。
…あなたっ」
桃子はその想いを無下に出来ないと思った。
「大事にします…っ、一生の宝物にします、あなた…ッ」
涙をにじませ、そっと彼に寄り添って告げると、随分大げさだなと笑われたが構わなかった。
そして、嬉しくて胸がいっぱいの桃子は、髪飾りの美しさにうっとりしながらも、すぐハッと何かに気づき、側に落ちていた着物を持つと急に布団から抜け出す。
「あの、私も…私も…いいですか?
ちょっとだけ…お待ちください。
すぐ戻りますからっ」
「……どうした急に。
まぁ構わねえが」
「はい、それでは…」
そう言った桃子は手早く衣服を羽織り帯を締めると、慌ただしく障子を開け、その場から姿を消した。
一体どうしたんだと思いつつ、まぁいいかとプロシュートは自分も身支度を整え、煙草に火をつける。
煙草の火のみ灯るその部屋で、彼は髪飾りの入っていた箱を見て、フーッと煙をはく。
先程の桃子の涙ぐみ笑う顔に愛しさが増す。
あんなに喜んでくれて、よかった。
いや、彼女は自分が渡した物をいつまでも大切にしてくれるのだ、心から嬉しそうに。
そして、何より今日は彼女と一緒にこの日をいられるだけで嬉しかったと…そう思いながら。
他でもない、彼女に。
…初めて、彼が恋してしまった彼女に。
(まさか、こんなにアイツに惚れ込むとはな…)
瞳を伏せて、面白そうに唇の端をあげる。
早く帰ってきてほしい、早くもそう思いながら。
ーパタパタ…。
「ごめんなさい、お待たせしました」
障子を開けて、再び姿を現した桃子は、片足を立てて座るプロシュートに紺色と銀のリボンを包まれた箱を差し出す。
「さ、どうぞ、あなた。
ほんとは明日渡そうかと用意してたんですよ…よかったら、召し上がって。
あの……、でも私、男の人にこういうの作ったの初めてで。
洋菓子あまり作らないから…。
美味しくなかったら、ごめんなさい…」
促されるままに、開けてみるとその中身はチョコレートトリュフだった。
「Cioccolato? オレにか?」
「ええ。日本では男の人が女の人からチョコレートを貰うのが普通なの。
旦那さまとか恋人だけじゃなくて、義理チョコって、特に好意がなくても知り合いにあげたりもするんですけど。
あ…、私は違いますよ。
あなたは……あの…その…特別な…………私の…愛…してる……旦那さまになる人ですから」
はにかむ彼女。
それを必死に恥ずかしさを我慢しながら、トリュフに指をさしながら、これは抹茶、これは豆乳クリーム、これは黒ゴマクリームが入ってますと説明する。
そんな彼女の様子がおかしくて、何より滅多に直接言わない言葉が聞けて、プロシュートは一瞬眼をみはると、嬉しそうに無邪気に笑った。
「そうか…オレも愛してるぜ。
お前の思う倍以上に。遥かにな。
にしても、女にばかり用意させて、何もしねえ野郎が貰うのはオレには、ちと納得いかねぇな。
まあいいか。
ん、うめえな。
桃子の作る物は何でも旨ぇな」
「ふふっ、美味しくて良かった」
そうして、プロシュートがトリュフをじっくり味わう姿に桃子は微笑み、来年は何を作ろうかしらと今から思う。
「そうだ、あなたから頂いた物さっそく着けてみますね」
そう言って、いったん箱に置いていた髪飾りに手を伸ばすと、髪を手櫛ですき、まとめてお団子で結い上げ髪飾りを挿してから、手鏡を出しておかしくないか確認する。
「わあ…っ、花が揺れて綺麗」
改めて、その繊細な細工とアメジストの色に眼を細めて、桃子は喜んだ。
そのまま、穏やかに静かに終わるかと、この時彼女はそう思った。
ところが、
「あの、あなた、どうですか?
…って、きゃっ!」
そう聞いた瞬間、強く腕を引かれ、あっという間に桃子はプロシュートの腕の中にいるのに気付く。
「な、何をするの……!……んっ」
そして、たちどころに塞がれる唇。
そのまま、後頭部に彼の手が押さえ込むと、桃子が息をつく間もなく何度も口付けられ、
「ハァ…ッ……、なに…どうして…」
やっと解放されたかと思えば、極悪な笑みを浮かべる彼。
首に落とされるチクリとした痛みと、いつの間にか彼が手にした髪飾りがきらりと光る。
そして、それを枕元の箱に置くと桃子をふわりと布団に横たえさせ、覆い被さるようにして、甘い眼差しで見つめる。
「なあ、桃子」
「あの、何…。えっ!何で外すのっ」
「そりゃあ、これからするのに壊れねえように決まってるだろ」
まとまっていた黒髪に指をとおして、その一房にキスをして彼はそう言う。
その姿さえ妙に艶やかで憎くたらしいとさえ思う。
いや、それよりも桃子はこれからの事に顔を白くした。
「するって、まさか……………。
もしかして…もう一回?」
聞けば、ククッと小さく笑い声が上から聞こえる。
彼は再び自分のシャツの胸元を緩めながら、桃子の腕を取り、ゆっくりと指先から徐々に上へキスをして答えた。
「いや、一回じゃすまねえな。確実に。
それよりよ、なあ桃子。知ってるか?
昔々、Cioccolatoは媚薬だったってよ。
…というより、オメエの結い上げた髪と、丸見えの白い首にそそられたって事だ」
「ええ…っ。
そんなっ、ムチャクチャな………って、あっ!」
逃げようなんて無理。
プロシュートは桃子を手に入れた時から、彼女を逃がすまいとしてきたのだから。
「…さあ、覚悟しろ。
明日は1日世話してやる」
「いや…っ、あっ、このスケベ!変態………んっ」
桃子は気付いてなかった。
まさか髪飾りをつけた時のあの髪型、それが最初プロシュートと現実で会った時と同じ髪型で、彼はその時を思い出して、彼女への愛しさを増した事も。
アメジストの輝き…精霊の乙女は白い水晶となり、神の葡萄酒でその身を紫色に染める物語…と、彼女の可憐さが重なって、彼が益々彼女に惚れ直してしまったなんて。
…とにかく、とんでもない事態になったと気付いても、哀れな彼女には後の祭りで。
いや、彼のある種ぶっ飛んだ思考回路を理解しろというのも難しいかもしれない。
そうして、桃子は再びプロシュートに朝まで美味しく頂かれた。
腰が痛くなって、動けなくなるまでに。
それに目論見通りいったとほくそ笑んだプロシュートは、その翌日も無理矢理リゾットから休みをブン取ったとの事だ。
【ミニあとがき】
バレンタイン近いので書いてみました。
というより、甘いの書きたくなっただけ。だから、スイート・ライク・チョコレート。
最初の黒髪の描写は単に私の趣味。グールモンの『髪の毛』ってヤツを意識してみたり。
髪飾りはアールヌーボー時代のジュエラー・ラリックのブローチを参考にしました。
アンケートも兄貴が変わらず勝ってるのは嬉しいです。
兄貴は書きやすいし、ゲロ甘な話も案外すんなり書けて一安心しました。
桃子の愛されぶりは相当パネェです。
[追記]
バイオレットヒル書いてたら、恋人になった二人の様子がもっと書きたくなったので追加修正してみました。
管理人は甘党なので、胸焼けするゲロ甘話は大好物なんです。
2014.2.12(水)
H.26.3.26(水)追加修正。
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