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フーリッシュハートとダークスター5(完)
ーその後。





「ふっふっふっ…………………………………………………………さぁ、ようやく二人きりになれたねぇ……………っっ」

にやつく変態。
まだ着ぐるみを着た状態だ。

アマーロは怖がりながらも、出来るだけ触らないよう距離をおいて座席に縮こまる。


そんな二人は観覧車の一番高い場所にいた。

透明ガラスで景色は恐ろしい程よく見える。
更に普通より一つ一つが大きめで天井も高いので、ぬいぐるみ状態のメローネでも快適に動ける。

メローネが満足感に満ちてるのと反対に下界は当然大騒ぎだった。

いくら可愛いヌイグルミでも、こんなに騒ぎを起こしたのだ。
何かのイベントかと思った野次馬も、本当にマズイ事態だと気付いた人々も集まり、それぞれが大騒ぎをしている。

「おい!!!降りてこい変質者!降りてこいよーー」
「ママァ!あの子大丈夫だよね!」
「しっかりしてーーーーーーーーーーっ!」
「テメエその子をはなせーー!」
「パパァア〜あのウサギ気持ち悪い!」


メローネはそんな人々にバカめと冷めた目線で見下ろしながらも、すぐバッとアマーロに向き直り、
「あーしてこーしてぇーー」
と妄想たくましく、フーリッシュハートの口から鼻血を噴き出しながら、両手でワシワシ何かを百回揉むような動作をする。

恐怖心が増す。
もうアマーロはこのヌイグルミを二度と見たくなかった。

可愛らしいフーリッシュハートのぬいぐるみなのに…。
それが動き次第で、こんなに気持ち悪くなるなんて、誰が想像出来ただろうか。



「あ…………あっ………………」


恐怖のあまり身体が動かない。
そしてこういう大事な時に限って、2×4は発動出来ない。
(2×4の能力の中にはパワー消費が大きいものがあり、今の彼女はそれを一回使うと数日何も出来ないのだった)

今の彼女はただの無力な女の子だ。


「ねぇん、仲良くしようよぉ〜」
スリスリ激しく頬擦りをされ、アマーロの背中はぞわぞわぞわっと寒気が立つ。

また泣き出しそうになったが、プロシュートのすぐ泣いてばかりじゃダメだという言葉を思い出し、グッと我慢する。

(お兄ちゃんはきっと来てくれる………………!
時間を少しは稼がなくちゃ…………)


「ね…ねぇ。あの、何でヌイグルミ着てて、あんな早く動けたの……?
それに全然疲れてないみたいだけど…………」

「ああ?それかい?

そりゃ、オレが脱ぎたてパンティが盗みたくて、温泉スパの脱衣場に忍び込む時にデブ女のフリして肉襦袢着込んだりするからさ。

温泉の熱と湿気に比べたら、こんなヌイグルミ大した事ないぜ!











……ね。

それって……時間稼ぎのつもりかい?」

「……ひっ!!!」

ヌイグルミの頭をずらす手。
中から覗くのはムチュウウウとした唇。



「さぁさぁさぁ!熱いヴェーゼをかわそうじゃああぁああーりませんかッ!!!!!」

「い…………っ、


イヤァああああああアアアアアア!!!!!!!!」


「ファーストキッスはメロン味ぃいいいいいーーーーーーーーーーッ!!!!!」























「…おい、」


「え!?」







アマーロの視界のど真ん中、メローネの背後。

ドスのきいた声に慌てて振り返ったメローネが見たのは、突然下から素早く現れた赤い影。










「…さっきぶりだな!!!クソ若造ッッ!」






ー我らが兄貴の登場だった。






バッリィイイイーーーーーーーーーーン!!!!!!!




兄貴の蹴りッ!!!
それは疾風よりも速く無慈悲なもの!そして鉄製のハンマーよりも遥かに威力のあるもの!



「えぇッ!どうやって登って…
「オレに不可能はねぇッ!!!!!」


ぐえぇえーーーーーーーーーーっ!!!」


メローネの顔面に重い膝蹴りをくらわせながら、プロシュートは中にスタッと飛び込む。

アマーロが心底待ち望んだ男。


だが、その服装は普段の上等なスーツ姿とかなり異なっていた。





マトリックスを思わせる深紅のロングコートは激しく風になびき、

身体中に装着された黒いベルトには大量の銃器、
レッドロングブーツには小さな投げナイフが光り、
背中には二本の刀剣がクロスして装備され、
全身凶器の標準装備。

ほどかれた金色の見事な髪は強風の中でも美しく輝いていた。






視線を上げ、殺意を持ってメローネを睨み付ける顔。

『Fu×kin'
ya
F××k
F××kin'
F××Ker……!
(くたばれクソ野郎)』
それはあのキャラ…処刑人ビアンコのキメ台詞。

全く子供向けでない最悪に汚い言葉。
なぜコレを台詞にしたのか、誰も知らない。

だが、兄貴、最高にこの台詞を気に入ったようだった。



そして、このチンピラなら聞いただけで泣き出すドスのきいた声で、突然現れた男の先程までの姿をメローネは理解した。


(え………若っ!!オッサンじゃねぇの!!?)

黒いサングラスで隠されていたものの、
そのピエタのマリア像を思わせる白く滑らかな肌、
すっと通った鼻筋、
引き締められた口、
彫りの深く精悍な顔立ち。
その全てが繊細な彫刻のようで、完璧な造形であり、あまりに美しい。
自分をイケメンだと自負するメローネでさえ、生まれてはじめて自分より美しい人間がいると素直に感動した。


だが、この繊細な美しい男の中身は全く繊細ではなかった。

身体が軽すぎて、すでに絶好調のパワー。

バキバキと指を鳴らしながら歩み寄り、腹にブチこむのは、常人の肋骨十人前を砕くパンチ!

トゲ付きメリケンサック装着からの、内臓を抉りとるボディーブロー!

続けざまに黒い飾りベルトと銀の鋲が打たれたロング・レッドブーツが閃く!

その長い足を90度の一直線に振り上げて、猛スピードで振り落とすカカト落とし!!!

先程のぬいぐるみ状態でもくらわせた。
だが、いまの何も束縛されない状態から繰り出されるソレは、先程までより格段に威力が違っていた。
具体的に言うなら、瓦を50枚ブチ割れる。


(何だよコレ!!!さっきよりずっと痛いじゃねぇか!

マズイ……………!いくらオレでも……マズイぞ!!!)


そしていくら数十メートルもの観覧車といえども、この男にかかれば何も使わず駆け上がるくらい、いとも簡単に行われる、至極容易い行為だった。

ありえない、ありえない。こんなムチャクチャな身体能力の人間がいるなんて!

理解不能!理解不能!とメローネの頭の中でアラームが響き渡った。




「お前は………まさか…あのクマ………
「テメエはオレを怒らせた!!!!」


うわぁああああああーーーーーーーーーー!!!なんつームチャクチャなぁーーーーーーーーーーッ」

右!左!上!下!上!下!左!右!

このコースの16回セット(これを5秒で一気に行なった)の恐怖の拳と蹴りのラッシュでボコボコにされ、へにょへにょになったメローネ。

そして顔面を鷲掴みにされ、万力のようにギリギリ締め付けてくる指の隙間から、変態は見た。


サングラスごしに、猛獣が獲物を仕留める瞬間に見せる…………切れ長の美しく鋭い眼を。





(うほっ……………いい男!)




ドッカァアアアアアアーン!!



メローネは兄貴の渾身のヤクザキックにより、座席ごと吹っ飛ばされ、あ〜れ〜と叫びながらまっ逆さまに下へ落ちていった………。







「お…………お兄ちゃん………、その…ビアンコの服?…………どうしたの?」

アマーロはあまりに瞬く間に起きた出来事に呆然として、座席にへたりこんだままながらも、やっとそれだけ聞く。


「…はぁ、変装はあっても仮装なんて、やったのは初めてだな。
どっちかっつーと、オレはカーニバルよりフーリガンの乱闘に参加する方だが。

まぁ案外悪かあねぇ。
あのぬいぐるみを着た後じゃ、これでも涼しく感じるぜ」

プロシュートはニヤリと笑う。

「あのクマじゃ動きにくいからよ、ちょっと借りてきたんだ。

客を誤魔化す為にもな。

で、下でさっきの兄ちゃんとイルーゾォの野郎にも事情を説明した。


今頃奴等がヒーローショー番外編だって誤魔化してくれてる筈だ…………。

まぁ目立つつもりはなかったんだが………仕方ねぇな…」


『さぁ悪者のフーリッシュハートは、ビアンコにやられたぞ!
みんなーっ!彼に盛大な拍手をーーーーーーーーーー!!!』

ーわぁああああああ!!


「あ、ホントだ……」

確かにアマーロが下界を見てみると、さっきのスタッフルームで会った大学生と頭に大量のタンコブを作ったイルーゾォ(何でもミラーハウスに入った時に元バイト仲間から人手不足だと泣きつかれ、今までめいいっぱい働かされてたそうだ)が、マイクを持ちながら何か身振り手振りで説明している。
よほど二人の誤魔化しが上手かったんだろう。そしてここの客のノリの良さも幸いした。
下ではすっかり盛り上がっている様子だった。


メローネはフカフカのぬいぐるみオンだったのと、途中で使うつもりだったらしいピンクの鞭を観覧車にひっかけた事で無事だった。

今は動いてないが、先程までの回復ぶりを見るとすぐに復活するだろう。


とりあえずプロシュートは尻餅をついたアマーロの手をとり、起こしてやった。

「お兄ちゃん………、ありがと…うッ」

再びグシャグシャになる顔。
それにヘッと笑いかける顔。


「まぁーた泣いてんのか………オレのシニョリーナ。

ヒロインになれてよかったじゃねぇか?
…なんてな」


(だって……だって……………、お兄ちゃん、絶対助けにきてくれるんだもん………っ)


クサイ言葉だが、アマーロにとって、兄こそが彼女のヒーローだった。


「うっ………うわぁあああああっ!!!

怖かった!怖かったよぉーーーーーーーーーー!!!!!」

「よしよし…………………、もう大丈夫だ……」

とびついて抱き着くアマーロを優しく抱きしめ、美しく微笑み、妹の無事に心底ほっとする。



(後はヤツを……………


……処刑するだけだな!)
そう思いながら。




「最終決戦だ………………さぁ来いよ小僧。
今からオメェにマフィアの掟を、骨髄までビッチリきっちり叩き込んでやる…」

「そうはいくかな!素敵なお兄様!!
オレの変態パワーなめんじゃねぇーー!

お前のパンツ奪ってかぶってパワー補給だーーーーーーーーーーッ!」

先程のピンクの鞭をぶんぶん振り回しながら、向かう不気味なウサギ。

だが、まだプロシュートも知らないが、変態も腐ってもパッショーネの一員。
兄貴が凄すぎてアレだが、彼も結構強かったのだ。

インディー・ジョーンズを思わせる素早い鞭さばきと、中国拳法を思わせる想像以上のいい動き。
(通信教育で習得したと後にメローネは語った)


それを全て避け、殴り付けたり足払いをしながらも、動きのパターンを研究する兄貴。

下手なアクション映画よりずっと見応えのあるその闘いに、観客も子供もテンションがますます高まる。


「うぇえっ、本当に気持ち悪ぃなテメェは……。



だが………いい根性だ……気に入ったぜ」



ージャラァアアアアッ。

突進するヌイグルミオンのメローネに向かって、プロシュートはニヤリと笑うと、背負った愛用のローズウッドの仕込み杖をゆっくり抜き、迎え撃つ。
ただ一応オーナーの言葉に従い、使ったのは峰部分だけだが。



「マフィアの掟その1ィイ!」
ボカッ!

「警察のスパイになるな!」
ボカボカ!!ボカボカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカ!
「その2!弱いヤツは守れ!!」
ドカッ!ドカドカドカドカ!ドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカカカカカッ!
「その3!ファミリーの秘密は一切外部に漏らすな!
その4!仲間は殺してはならない!!!
必要なら手を差し伸べろ!」
ドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカ!!
「その5!盗むな!他の男の女を望むな!」
ドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカ!!
「その6!常に態度は誠実で礼儀正しくあれ!」
ドカドカドカドカドカドカドカドカ!!
「今度アイツをナンパする時は、オレを思い出しなッ!!
ありがたすぎて泣くんじゃねぇことだ!!





もし!
万が一!

ヤツを口説き落としたら、150発我慢したら許してやる!!!!










訳ねぇだろうがぁあああアアアアアアッッ!!」








ドッギャァアアアアアアーーーン!!


最後の技を決める為、払いのけるようぶん殴った一撃。


ただ一方的な暴力にテンションが上がりすぎたせいで力み、思ったより遠くにメローネは吹っ飛んでしまった。



「…チッ。これで最後だ」


舌打ちしながらも、ウサギの胸ぐらを掴み、トドメをさそうとしたその時、






「最後に……最後に………、貴方の腕の中で死にたい……………。


と見せかけて、貴方の顔が見てみたいーーーーーーーーーーッ!!」

突如うさぎの口から飛び出すメローネの腕。

その予測不可能な動きにも何とか背後に飛んでよける。





「くらいな!!!
地獄の断頭台ッッ!!!!!!」


「ぐぁあああああアアアアアア!!
マジで痛えぇーー!
ディ・モールト・ベネぇえええーーーーーーーーーー!」







こうして公開処刑され断末魔を上げながらも、メローネの目的はしっかり果たされた。








…………カラン!


足元に落ちるサングラス。


「私…は…………まんぞ……く………だ(バタリ)」






「……マズイッ…、しまった……………!」




メローネの頭をガンと踏みつけたプロシュートは落ちたサングラスに気づき、立ち上がりながらも慌ててアマーロを脇に抱える。






そのサングラスの奥に隠されていたもの。







…青く澄みきった瞳。
あまりにも涼やか。
暴力男の本性が信じられない程の美しい眼。







怒りとメローネの公開処刑でテンションの上がったせいで、わずかに蒸気する頬。

サングラス状態でも充分美しい顔だったが、その色気は彼の瞳が見えれば倍増しである。


その目線の破壊力はガンパウダーand爆弾ゼラチン。
ダイナマイトWithレイザービーム。


何もしなくても、発せられる凄まじい色気。


絶世の色男降臨である。








…どっくん



周りから聞こえる心臓の高鳴る音と、ゴクリとツバを飲み込むハモる音。

まさかと思い、振り向けばバイト仲間のパレードダンサーの女性スタッフ達。

あちゃーという顔のイルーゾォ。
(彼も兄貴の色男フェロモンの乱闘をよく知っていた)






「「「え……………、プロシュートさんの素顔…………………………え…………、え……………?












きゃあああああああああああァアアアアアアァアアアアアア!!!!!」」」


「プロシュートさぁあん!お怪我はありませんかーーーーーーーーーー!!!」
「私のタオル使ってーーーーーーーーーー!
「私特製ミックスジュース飲んでーーーー!!」
「いった!テメエわざとだな!」
「んだとテメエが邪魔なんだよ!!」
「いいパンチしてるぜッ!
この野郎ッ!」
「かかってきやがれッ!」


「「「いくぞ
私の方が!!

最強という事を証明してくれるッ!!!!!」」」
「「「私が最強だぁあーーーーッ!!」」」


その場は、まるでサバイバー発動状態の女達の地獄のファイトクラブと化す。

普段ならあまりに恐ろしい現場だが、オーナーも子供にトラウマを与えるなと言っていたが、腐ってもここはパッショーネ運営の遊園地。


「いいぞー!お姉ちゃんたちもっとやれェーー!」

「あたしのバー○ー人形使ってー!目にブッ刺してー!」

「パパ!僕も参加したい!」

「HaHaHa!坊やにはまだ早いかなぁーー」


そこに来る子供は将来マフィアになる為の子供ばかりだった。






(えぇーーー…………………何だコレ……………)

イルーゾォは乱闘から離れ、プロシュートとアマーロと共に走ってその場を後にする。





「………だから、ツラを見せるの嫌だったんだよ………………」

「お兄ちゃん………………凄いね……色々…………」




後に遊園地は、想像以上の戦闘力を見せたダンサーの美女達のファイトクラブが一番の売り物になったとのことだ。

なお、兄貴は会場のドサクサに紛れ、オーナーの小切手を一枚ひったくり、自分の一週間分の給金分だけこっそり頂こうとした。


だが、オーナーから数時間後に連絡を受け何故か
「片付けるの大変だったけど……、あの日は一番儲かったよ。
君のおかげでママさんや若い子がバンバン札束投げてくれたしね………。
それにいいアトラクションが出来たし」
と驚異の超展開が起きて、バイト代+更にとんでもない金額を追加でいただいた。

『ねえ、またビアンコやってくれない?女性客増えるからさ』
『……断る!』
















…そして、その結果。






ドサドサドサドサドサドサッ!!!

リゾットは信じられない気持ちでいた、目の前に大量に積み上がる現ナマの山に。

こんな大量のお札を、彼はここしばらく見た事がなかった。





「…何だ、この金は?
あそこの給金にしては妙に多くないか?」

「臨時収入だ……。
受け取りやがれ。それで壁の修理をするんだな。
ソファーはさっき頼んでおいた。一週間後に着くとよ。
オメェが前カタログ見て欲しがってたミノッティのソファーだ………!」

「え………?アレをか……?嘘だろ。
30万もするのに。

…とにかく、この金はどこから来た?

お前、もしや………金持ちの親父集団を脅して一斉ジャンプさせたのか?」

「ハァ?違ぇよ。
テメェ、オレを何だと思ってんだ。

だからバイト先で貰ったんだよ。正当な労働でな…。
安心しな薬も臓器も売っちゃあいねぇ!
任務は完了した。

じゃあ、いいよな。
オレは帰るぜ!

…愛する女のご機嫌をうかがいにいかなきゃいけないんでな」


そうしてドヤ顔をして、クルッときびすを返し帰っていくプロシュートの後ろ姿を見送った後、リゾットは頭を抱えた…………。

「アイツ……ッ!全然懲りちゃいねえ……………………………ッ」


これを機に、少しはおとなしくなるかと仕組んだ任務。
だが、それはプロシュートには全然ダメージにもならない事をリゾットは理解した。

また暴れるに違いない。そして、自分はまた後始末に奔走しなければならないのだ。依然変わりなく。
一体何のためのお仕置きの任務だったのか。
新しいソファーも素直には喜べず、ため息ばかりがこぼれる。

どうせまたアジトで飲み会をしたらブッ壊されるか、もしくは、自分が座れずに他のメンバー…主にプロシュートに占領されるに違いない。

だから素直に喜べなかった。
リゾットの頭痛はガンガン酷くなるばかりだった。



一方プロシュートは結果オーライだったと満足しながら、バイト仲間から貰った大量のグッズとお菓子に、ダークスターのでっかいヌイグルミの入った袋と、高級レストランの最高級ケーキの箱を持つと、アマーロの待つ家へサッサと帰っていった。












そして後日、メローネが本当に偶然に暗殺チームに配属され、リゾットに連れられて現れた時、
「イヤァアアアアアアーーーーーーーーーー!!」
とアマーロは悲鳴を上げ、
プロシュートは
「ブッ殺したァアアアアアアア!!!」
と叫びながら、メローネに向けてライフルをブッぱなしたのは別の話だったりする。

ついでに、事情を知ったリゾットは、彼にしては珍しくブチ切れた表情をした後、メローネを引きずってどこかへ連れていき数時間帰ってこなかった。

そして帰ってきたメローネは
『まずは……お友達からでいいですか……?』
と萎びたキュウリのように大人しくなり、冗談でセクハラをかますことはあっても、あの時の本気の変質者のような真似をする事は二度と無くなったとの事だ。


『…おい、リゾット。オメェ一体どうやったんだよ』

『……企業秘密だ』

『リーダーさん…………ううっ、ありがとうっ(抱きッ)』

『…………いいんだ…………元気を出せ……(←アマーロの頭をなでなで)』

(…まぁ今回は仕方ねぇな。
感謝するぜ、リゾット……)




































































【プチ後書き】

ヤバイ……フリーダムでカオスな事になりました。
アンケート一位の兄貴だからと、テンションに任せるままに書いたらツッコミどころ満載のおちに。

まぁ兄貴だから!と思ってください。
管理人、いつも暴れる兄貴を書くとき、「兄貴なら壁を走れる」
「兄貴なら頭突きで人の頭蓋骨粉砕できる!」
と思いながら書いてるので。

あとメローネがあんまりにもアレになってすみません………………、きっといつか、かっちょええメローネの話を書きたいと思います。

最後にダークスターとフーリッシュハートは、兄貴の元ネタグレイトフルデッドの公式キャラクター・デッドベアーの一種です。
ヌイグルミは鼻血が出る可愛さなので、アマ○ンで探してみて下さい。
ダークスターはムチャクチャ可愛いヌイグルミです。

あとメローネが着てたフーリッシュハートの柄は管理人の捏造です。クマからうさぎにしたのも、プレイ○ーイのあのウサギを思い出したからで。

管理人、ジョジョ仲間の親友とデッドベアーのヌイグルミみるたびに、
『可愛い………この中に金髪のイケメンが入ってたらいいよね』
『えー!兄貴は顔出しがいいに決まってんじゃん』
という会話をよくしてて、そこからこんな話が生まれてしまいました。

とにかく、カオスな内容で番外編で一番長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました!


2013.9.8(日)

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