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抱っこ


「そっかそっか。いっちゃん身長伸びてたのか。」


にこにこ。嬉しそうに笑うキョンくん。
キョンくんが笑顔だと僕も嬉しくて、にこにこが移る。


「いっちゃんおいで。膝抱っこしてあげるから。」


ぽんぽん。膝を軽く叩いて。また子ども扱い。
キョンくんの膝抱っこは大好きだけど、僕はもうすぐ10歳で、もうお兄ちゃんなんです。


「いっちゃん膝抱っこ嫌?」

「嫌じゃ、ないですけど。」


僕、お兄ちゃんなんです。


「そっかそっか。いっちゃんもう4年生だもんな。
身長が伸びてお兄ちゃんだもんな。」


そうなんです。だからキョンくんの膝抱っこは大好きだけど、今日は乗りません。凄く好きだけど。


「でもな。いっちゃんこれからどんどん大きくなるだろ。
大きくなっちゃったらもう抱っこ出来ないぞ?」

「なんでですかっ」


お兄ちゃんになっても、抱っこしてほしいです。
今までみたいに毎日じゃなくても、ぎゅうってキョンくんにしてほしいです。


「でも大きくなったら、俺いっちゃんのこと支えきれないから抱っこは出来ないぞ?
抱っこはお兄ちゃんじゃない子の特権なんだから。」


そんなこと考えたことなかった。
だってキョンくんはいつでも抱っこしてくれたから。

抱っこがお兄ちゃんじゃない子の特権なら、


「ぼく、お兄ちゃんじゃないです。」


抱っこ、してほしいです。


「うん。おいで。」


いつもみたいにキョンくんのお膝にのって、首にぎゅうって抱きついて。
そうしたらキョンくんも背中ぽんぽんってしくれて。
それでも全然足りなくて。ぎゅうぎゅう。たくさんくっついて。


「キョンくん。大好きです。」











キョンくんはちみ古泉に抱っこ断られたのが淋しくて言ったんだと思います!←




クロイツ様よりリクエストの『年の差パロ』

1年間もお待たせしまして、本当にすみません!
古キョンというより古+キョンですが、どうぞ貰ってやってください。
大変長らくお待たせ致しました! リクエスト有難うございます!!





↓おまけ。恐らく数年後



「なぁ。」

「なんですか?」

「好い加減、降りたいんだが、?」

「もうちょっと、膝抱っこさせてくださいよ。」


ぎゅう。緩く回してただけの腕に力を入れる。
キョンくんが僕の上から降りないように。

僕の体が大きくなって、キョンくんが抱っこしてくれなくなった頃から、僕がキョンくんを抱っこするようになった。
小さい頃は大きいと思っていたのに、成長してみるとキョンくんの体は僕よりも華奢で、抱きしめるのに丁度良い感じ。


「キョン君。大好きですよ。」


囁くと、幼い頃の僕がしたように首に腕を回し抱きしめてくれた。






よし! 古キョンになった!



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