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2010年 バレンタイン


「あ、古泉先輩!」


彼に名前を呼ばれることはいつもちょっとした恐怖を感じるが、今日は日が日なだけに思わず体が震えた。


「・・・なんですか。」

「バレンタインのチョコ! 俺の気持ちです! 受け取って下さい!」


珍しい彼の敬語よりもまず、その箱の大きさに圧倒される。
でも思ったよりまともそうだ。良かった。体中にチョコソースをかけて「俺を食べて。」とか言われたらどうしようかと思っていたところだから。


「有難うございます。開けてもいいですか?」


ただでさえ今日は荷物が多いから少しでも減らしたい。
それにここで開けたら他のメンバーが食べるのを手伝ってくれるかもしれない。
そんな打算的なことを考え貰った箱を開けると。




・・・・・・・・・・・・彼がいた。


「・・・・・・なんですか、これ。」

「1/10スケールの俺! 好きなところから舐めるなり齧るなり嬲るなりしろ!」


ああもうっ、やっぱりまともじゃなかった!
無駄に精巧なのがまた腹が立つ!


「気持ちが悪いです。」



そう吐き捨てた僕は今日一番の笑顔をしていただろう。











○盗ジャ○ヌで親友の子? が等身大チョコをあげてましたよね。
流石に等身大はきついものがあるんで1/10にしてみました。







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