「お前が好きだ。」 「俺、とき○モやったことないんだよなー。」 さっきまで持参したBL小説に夢中だった彼が僕の手元の携帯ゲーム機を覗きながら呟いた。 「やってみます?」 「でもなぁ、と○メモって作業ゲーだろ。無理無理。絶対途中で飽きるわ。」 それでも目は画面から離れない。 興味はあるんだろう。それなら。 「僕が操作するのでイベントとかだけ見ます?」 どうせ全キャラ攻略予定なのだから彼の横でやっても支障はないだろう。 それにこれを口実に僕の家に来る回数も上がるかもしれない。なんて下心。 「マジか!」 「えらくマジです。どの娘おとします?」 「ちょ、説明書見せてっ。」 嬉々としてと勝手にケースから説明書を出す彼。可愛いなぁ。 攻略キャラもたくさんいるし決めるのに時間がかかるだろうと思ったが、すぐに決まったらしく満面の笑みを向けてきた。 彼におねだりなんかされたら、どんな難関キャラでも一日で落とせる自信がある。 「これ! このイケメン落として!」 ・・・・・・はい? 「えと、男性キャラ、ですか・・・・?」 彼が指定してきたのは主人公の友達ポジションの男性キャラ。 男落としたいのならGirl's Sideの方が良いのでは・・? むしろ現実で僕を落としませんか。既に虜ですけど! 「俺はホモが見たいんだ。だからこのイケメンを落とせ。」 数日後、彼が指定したキャラが画面の向こうで顔を赤らめて「お前が好きだ。」と宣った。顔を赤らめたのだから勿論友情エンドではないのだろう。 それを見た彼は狂喜乱舞し、よくやった! と可愛い笑顔で抱きついてくれたが、なんだか遣る瀬ない。 ○きメモが男キャラも落とせると聞いて。 ちなみにはやとはときメ○の知識はほぼ皆無なので、大分間違っていると思います。 |