切ない心 手塚視点 君の髪のにおいにいつも安心感を覚える俺。 俺は君の存在に少し心を揺らされかけているのに、まだそれをきりだすことができていない。季節は1月、もう卒業の季節をむかえる。 「不二…。」 「なんだい、手塚。」 やっぱりいい。不二の声は少しかすみがかっていてそれでいて甘いんだ。部長としての責任に押し潰されそうになったとき、いつも励まされるのはなぜだろう。あの優しくてほんわかしている声。 俺は不二に恋をした。 「あ、…否、なんでもない。」 「ふふっ、手塚らしくないね、どうしたのさ。」 やっぱり今日もきりだせない。 俺が君に向かって素直になれる日はくるのだろうか…。冬の風が頬を涙とともにすぎた。 もうすぐ俺は卒業をむかえる。 |