ShoutShout!
「好きだよ。手塚。」
生徒会に差し込むのは朱色の夕陽。それは、赤い断末魔のように僕らの頬やワイシャツをうっすらと染めている。唐突な僕のことばに君はふっと顔を挙げた。
血液が逆流するような感覚、震える呼吸。それはすこしだけコートにたった時の感覚に似ている。もっとも今の僕には絶望の結果しか待っていないだろうけど。
「………下らないな。」
「……。」
「改まっていう事じゃないだろう?仲間なのだから。」
「………ふふっ。そうだね。」
ほら、君は僕の言葉を理解していない。僕と君の世界が繋がる事なんてないのかもしれない。否、あり得るわけがないんだ。いまだってほら………、でもこれでいいのかもしれない。君が望むならこの友人関係をいつまでも続けたってかまわないから。
…でもさ、すこしぐらいはいいよね?
「ふふっ。君ってほんとムカつく生き物だよね。」
「…さっきの言葉と矛盾してないか…?」
「だって本当だもの。」
こつりと足音を響かせて僕は君との距離を縮めた。窓の外の四角い空は濃紺へと姿をかえはじめていた。まるで熱がさめるように朱の居場所を奪っていく。
僕はゆっくりと手を伸ばしさらり、と君の頬を撫であげる。君はぴくりと眉を動かしすこしだけ後退りをした。トパーズの瞳には少しだけあの朱が映っている。
そして僕は君の頬をおもいきりつねった。
ShoutShout!
───────
(あははっ。変な顔っ!)
(………っ不二!)
こんなの僕の痛みに比べたらぜんぜん痛くないだろ?
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不二の告白に気付かない手塚と
その仕返しをする不二くん。
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