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さみしがりな兎2






「………すまない。不二。」

「…俺、先パイのこと好きッス。」

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三時間目まで僕の頭を支配していたのは、手塚だけではなくあのスーパールーキーの一年生もだった。
彼らの言葉が頭をこだます。僕へ向けられたそれらは本当に正反対のもので。
しかし僕の頭を支配する、といった面では非常によく似たものだ。

はぁ…と小さく溜め息をつけば英二が眉間にしわを寄せてこちらを向いた。僕の機嫌が悪くなるのは面倒だ、とでも思っているのだろう。英二にはいつも申し訳ないとおもっている。僕は機嫌が悪いと英二に当たってしまうクセがあるから。

「何?英二。」

ほら、いまだって。いつもの愛想のある声がでてこない。自分はなんて性格が悪いんだろうか。

「なんでも。」

そういって、そっぽを向いてしまう。こちらから英二の表情を伺うことはできない。

「ごめん。」

「なにが?」

「ううん…」

自分の態度に申し訳なくなり謝罪の言葉を口にしたけれど、それは強い疑問で返された。
謝罪を疑問で返されるというのは許さないと返されるよりも大きいショックになる。
自分の行動自体を否定されたのだから。


なんでこうなってしまうんだろう。

一昨日、告白してしまったせいで手塚と気まずいのに加え越前、さらには英二とも、だなんて居心地が悪すぎる。

どうして。
なんで告白なんかしたんだろう。
なんで越前は僕なんかが好きなんだろう。
なんでもっと素直になれないんだろう。

なんで、なんで、そればかりが脳内をリフレインする。かき消すことなんて出来ない。

ああ、本当にらしくない。もっと余裕で何事も高みの見物なのが僕なのに。

なんだか胸が締め付けられるような感じがして顔に熱が移動する。視界がぼやける。

また僕は泣いてしまうのか。手塚、君に振られた日の夜、もう泣かないと決めたのに。
これを破るのは二回目になってしまう。


僕はこれほど孤独に弱い人間だったのか?





続く




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