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とばっちり!




「なんか陽が気に入った理由がわかるかも。」

へらへらっと笑う会計さん。
猫のような八重歯がちらりとみおた。
ま、気に入られたのはヤチだけだけどね。
そのヤチも迷惑そうだし。

「じゃ、俺たち朝飯食うんで。」

そういって部屋から会計さんを追い出そうとする。
だっていても邪魔だし。
なんか失礼だし。失礼だし。



「えー。オレも一緒に食べたいー!!」

俺の意図をしってか知らずか会計さんはヤチのカーディガンの裾を掴んで言う。



ふ ざ け る な 。

早くかえって欲しがってんのが
わかんないのかよ…。
つかお前の飯は、ない!!

「ちょっ西宮会計!!」

ヤチは会計さんの手を振り払おうと必死だ。

「達也〜!!」

眉毛をハの字にしてこちらに助けを求めるヤチ。

「しょうがない。いいっすよ。会計さん。」

俺はヤチを助けるべく仕方なく了承した。
仕方なくね。

会計さんはぱっと手を離して大げさに喜ぶ。
目の前がオレンジでチカチカする……。
ヤチの方をちらりとみればヤチも目を細めてチカチカに耐えているようだった。








「ねぇねぇ。」

会計さんが口を開く。

俺たちは仕方なく少し冷めてしまった朝食を三人で均等に分けて食べている。
黄身が3ぶんの一となってしまった可哀想な目玉焼きを俺は一口で頬張る。

「ねぇねぇ!浅海ー!!」

会計さんはヤチの隣でヤチに話し掛けている。
またもやこのパターン…
俺は蚊帳の外。
まぁこの自分勝手な会計さんにはあんまり気に入られたくないけどね。

「さっきから何なんですか!?西宮会計!!」

ヤチは茶碗をゴトっと置いて、会計さんを見る。
食べてる最中にあんなに話し掛けられちゃさすがにうざいよな…

「なんで怒んのー?つかさ!!浅海はどーすんの!!朝顔大会!!」





は?

朝顔大会?

え?俺の聞き間違えか?


「西宮会計…朝顔大会ってなんですか…?」

ヤチがポカンとした顔で尋ねる。
…俺の耳は正常らしい。


「えーっ君たち朝顔大会しらないの?」

またもや信じられないという表情の会計さん。
もぅその顔飽きたよ…

じゃなくて!!

だからなによ!!





その朝顔大会って!!





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