並盛り一丁!
俺たちが体育館につくともう大勢の生徒がパイプイスにすわっていた。
「相変わらず男ばっかだなー」
ざわつく館内にいるのは男、おとこ、オトコ。
男ばっかりだ。
まぁあたり前か。
ここはなんせ男子校なのだから。
「まぁしょうがないよ。男子校だから。」
そういってヤチは苦笑しながらパイプイスにすわる。
「あーあ…俺、入試ん時インフルエンザにかからなきゃ今ごろ、共学の高校に通ってたのにな…」
俺はため息をついてヤチの隣にすわる。
そう。俺は高校受験当日インフルエンザにかかり40度の熱で試験が受けられなかったのだ。
それで滑り止めで親に受けさせられていたこの私立白銀学園(男子校)にきたわけ。
「試験当日にインフルとか運悪いよな…達也って…つか自己管理が甘いだけ?」
ヤチは笑いながらいう。
…こいつ他人事だからって!!
「笑うなよ!!私立だから学費とか馬鹿になんないんだぞ!!」
俺の家はそんなに金持ちじゃないし、兄貴は私大にいってる。
しかも、白学バイト禁止だし…
「ごめんごめんー!でも大丈夫!!達也ん家よりうちのが貧乏だし!」
両手を合わせて謝るヤチ。
「でもお前は奨学金じゃんかーいいよなー」
そう。ヤチん家は貧乏らしく、ヤチは推薦で白学にきたのだ。
ヤチは相当頭がいい。
偏差値は60を軽くこすぐらいだ。
それにたいして俺は50弱という普通な偏差値の持ち主である。
「オレ、勉強以外に取り柄ないもん。奨学金感謝だよ。」
いやいや…
俺なんかこれといって取り柄ないから…
そういおうと口を開いた時。
「「「キャアアァ」」」
「「うおぉ!!!」」」
鼓膜が破れるんじゃないかってほどの悲鳴。
そうですよ。
この王道パターンですとも。
生徒会のお出ましです。
最初はびびったこの風景も1ヶ月もすれば日常化してしまうわけ。
いやでも最初はびびった…
誰もしってる人がいないってだけでもびびってたのに入学式早々この有様だぜ?
周りはバイやゲイの人で溢れかえってるし。
ノンケな俺とヤチは呆れ顔でパイプイスに深く座りなおした。
否、別に同性愛とか否定してるわけじゃないけどさ…
でもありえないだろ?
ヤチの事可愛いっておもってもキスしたいとか抱きたいとか思わないし。
反対に抱かれるのとかも嫌だし。
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