それは魔法のように From 銀時 Subject 無題 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ いつ帰んの? ----END---- From 銀時 Subject 無題 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ いつ帰んの? ----END---- To 銀時 Subject Re: ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 19時には仕事終わると思うよ(`・ω・´) ----END---- 朝、出勤しようと支度していたらメールの着信。 誰かと思えば銀時で。 それっきり返信はなく、いつもの気まぐれかな、と特に気にすることもなく携帯を放置した。 「彼氏とは上手くいってんの?」 仕事の合間、同僚である友人が小声で聞いてくる。 「うん…まあ」 「付き合って結構経ったじゃない?結婚は?」 「うーん」 結婚、か…。 考えたことないって言えば嘘になるけど、なんか違う気がする。 なにより彼、経済力ないもん。 「そろそろ考えた方がいいんじゃない?いい歳でしょ。彼も、名前も」 「…そうね」 適当に流しながら、書類を片付けていく。 最近銀時と会えてないし、少しメールのやりとりするくらいだもんなあ。 …マンネリ化かもしれない。 会いたいわよ、会いたいけど…。 考え事をしていたからか、書類が思ったより進まず、おまけに上司の書類にお茶を零してしまい怒られたために、遅くなってしまった。 腕時計を見ると、21時。 「あーもう…」 なんてついてないのか。 とぼとぼ歩いて職場から出ると、見知った背中が見えた。 「え…銀時?」 身を縮ませながら、原付の傍に立っていた。 「どうしたの、今日来るなんて一言も言ってないじゃない」 「神楽が名前に会いたくなったんだってよ、仕方ねーだろ」 「…そうなんだ」 なんだ、残念。 私がちょっと俯いていたら、額に衝撃が走った。 「痛ァァアアアア!何ででこぴん!?」 私は額を押さえて抗議する。 「冗談だっての、俺が会いたかったの!つーか遅ぇよ。銀さん待ちくたびれちゃったじゃねぇか」 「ずっと待ってたの?」 「19時っつってのに、全然来ねーしよー」 「ご、ごめん」 朝のメールにそんな意味があったとは気付かなかった。 新しい一面発見。 「とりあえず後ろ乗れよ。送ってやるから」 「ありがとう」 銀時からヘルメットを貰い、原付の後ろに座って銀時の腰に手を回す。 「…ま、元気そうで何よりだわ」 「銀時もね」 嗚呼、やっぱりこの人が好きだ。 さりげなく私を喜ばせたり、元気付けるのがこんなに上手い人は銀時以外に私は知らない。 「今度から呼んだら迎えに行ってやるから、いつでも言えよ」 「え、本当に?嬉しい」 「有料で」 「ケチー!」 「ただし、坂田銀時の彼女さんにだけ、無料のサービスとなっております」 end.(2012,3,27) [*前へ] [戻る] |