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糖分濃度未知数

今日は給料日。
バイトして、貰った給料を、私、名前は何に使うかと言うと。


「銀さーん、一緒にパフェ食べません?」
「おー、いいな。ちょっと待ってろ」


そう、銀さんこと、坂田銀時と一緒にパフェを食べに行くことに使っちゃうの。



「最近できた、あの店に行ってみましょうよ」
「銀さん的には、甘いもん食えれば何処でも」
「あはは。銀さんって本当に、甘いもの好きですね」
「当たり前!!糖分は王者なんだぞ?」
「はいはい」
「なんだ、その人を馬鹿にしたような返事は」
「気のせいですよ。さぁ、行きましょう、行きましょう」
「…流された気がするんですけど」


クスクス笑いながら歩く。
銀さんと一緒だと、楽。
自分がそのまま出せる。
それに、銀さんはなんだかんだ言って、格好良い。
そう、私は、銀さんに惚れている。
決して言えない。
きっとこの気持ちは、私の心の中に仕舞われたまま…。



最近出来た、甘味処。
ちょっと洒落てて、若者に人気。
其処に今、銀さんと一緒に居る。


「あ、俺、サンデーパフェな。特大で」
「じゃ、私はチョコレートパフェで。普通の」
「え、お前そんなんでいいの?もっと大きいのにした方がよくね?」
「…そうですかね?たまにはドーンと大きいのを食べた方がいいかしら?」
「おー、そうしろ、そうしろ」
「じゃあ、チョコレートパフェの特大を」
「…かしこまりました」


ウェイターさんが苦笑いをして去っていく。
パフェの特大だけを注文する客なんて、なかなか居ないのだろう(しかも、男女共に)。


「いやー、久しぶりだな、パフェ食うの」
「あ、そうなんですか?てっきり、結構食べてるのかと…」
「こう見えて、銀さん大変なの。万事屋は儲かってないけど」
「それって仕事してないってことじゃ…」
「失礼な!!パチンコも仕事の内です!!」
「いや…違うかと」


笑ってしまう。
銀さんと一緒に居て、飽きることがない。


「てかね、銀さん、名前としかパフェ食わないの」
「え?」
「食べたいなーって思ってる頃に、お前が誘ってくれるし」
「…」


ひょっとして、気付いてるのかしら?
表向きは、独りで食べるのは寂しいから、という理由で銀さんを誘っている。
けど本当は、銀さんと少しでも一緒に居たいから。
少しでも、銀さんと関係を持ちたくて。
我ながら、不純な理由。



「お、着た着た」


注文したサンデーパフェ(特大)と、チョコレートパフェ(特大)が着た。
さすが特大。
なかなか大きい。


「いただきまーす」


2人でしっかり合唱して、パフェを食べる。
銀さんと一緒に、パフェを食べるこの時間が、私にとっては幸福な時間。



チョコレートクリームを食べていると、銀さんがふと、私を見た。


「あ」
「何ですか?」
「クリームついてる」
「え?」


何処に、って続けようとした瞬間。
銀さんに口の横を舐められる。
…いや、正確には、口の横についていたクリームを舐め取られた。


「…!?」
「うまっ。チョコレートもいいじゃねぇか」


何事もなかったかのように、自分のパフェをまた食べる銀さん。
思わず口の横を押さえる。


(危険だわ、この男…)



end.
(2010,1,20)



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