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拍手『スポーツ大会』
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早起きは三文の徳って、本当の事だったんだ。
なんて、私は感動して立ち尽くした。


「どうした?」
「否…何でも無い。お早う」


教室の扉を開けて、教室にただ1人で居た土方十四朗君を見つめたまま、固まってしまった私。
だってまさか、居るとは思わなかった…。
戸惑いながら挨拶すれば、


「おう。今日は早いんだな」


なんて、少し笑いながら返してくれる土方君。
今日はなんて良い日なんだろう。
たまたまとは言え、早起き出来た自分に感謝。
朝1番に土方君に会えるなんて…!


「それにしてもよ、他の奴らは朝早く来て特訓とか、しねぇんだな。普通するだろ」
「へ…?特訓…?」
「今日はスポーツ大会だろ」


平然のように言ってのける土方君。
スポーツ大会…!?
そう言えば、昨日、銀八先生がそんな事を言ってたような…言ってなかったような…。


「あのさ、土方君」
「何だよ」
「私、自慢じゃないけど、スポーツ苦手なんだよね」


だから何?
そんな顔をする土方君。
否、だからね、私は特訓のために早起きして学校に来たわけじゃなくて…。


「だから、特訓は、」
「苦手だから頑張るんだろ?すげぇじゃねぇか」


否、違うんだよ、土方君。
そう否定しようとしたのに、


「俺も一緒に特訓やってやるよ」


そう笑って言われれば、否定なんて出来なかった(しかも、一緒にやってくれるって言ってくれてるし…)。
好きな人と一緒に何かするチャンスを手放す程、私は愚かじゃない。
そんな秋。



公開(2010,10,1〜2010,11,28)



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あきゅろす。
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